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REPORTレポート

◆年前半、再度の物価上昇により金利高株安の可能性

2023.02.02 レポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 27,346.88 +19.77
TOPIX 1,972.23 -3.04
マザーズ 783.18 +7.25
NYダウ 34,092.96 +6.92
ナスダック総合 11,816.32 +231.77
S&P500指数 4,119.21 +42.61

きのうの米国市場は3指数揃って続伸となりました。

取引序盤はFOMC発表前ということもあって、利上げが継続するとの
見方から3指数はマイナス圏で推移していましたが、FOMCで0.25%の
利上げが発表となり、これは市場の予想と一致していたことから
材料出尽くしでマイナス幅を拡大させる場面がみられました。

 

(米国政策金利推移)

 

これにより、昨年より8会合連続の利上げで政策金利は4.75%と
なりました。

 

注目のFOMC後のパウエル議長の会見では「ディスインフレ(インフレ
鎮静化)が始まった可能性」に言及。

 

ターミナルレート(金利の最終地点)や、いつまで利上げを
続けていくかについては、まだ決定することはできないと
ヘッジコメントを残したものの、将来的には利上げ停止、年後半
からは利下げという方向性で動くだろうという市場の見方が強まり、
会見中から徐々に下げ幅を縮小させる動きとなり、取引終了時点で
プラス転換となりました。

 

為替相場でも今後の利上げ停止を意識してドル円では128円台まで
ドル安円高が進み、輸出関連の米企業にとっては追い風となりました。

 

個別銘柄では、注目だったメタ(フェイスブック)の10-12月期
決算が発表されましたが、売上高は市場予想を上回り、利益面では
下回る結果となりましたが、時間外取引で+17%超の上昇となって
います。

 

その他、半導体のAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)は
今1-3月期の売上高予想が市場予想を上回る見通しを示したことで
+12%超の上昇となりました。

 

AMDの良好な業績見通しを受けて、エヌビディアやラムリサーチなど
他の半導体関連銘柄も連れ高し、半導体株指数のSOXが+5%高と
昨年11月末以来の大幅高となっています。

 

一方で、動画SNSのスナップチャトの10-12月決算は赤字に転落
したことが嫌気され、さらにTikTok(ティックトック)など
の競合の1-3月期でも売上高が最大で▲10%縮小するという見通しを
示したことで▲10%超の下落となりました。

 

 

 

◆再度の物価上昇により金利高株安の可能性

 

きのうのFOMCでは物価上昇はピークを迎え、パウエルFRB議長からも
ディスインフレ(インフレの鎮静化)の可能性がみえてきた可能性が
あるとの発言がありました。

 

しかし、タイトルで示したようにこのまま素直に物価が下落していかない
可能性があるとみています。

 

それが銅価格の上昇です。

 

(銅先物価格・週足チャート)

 

銅価格は昨年3月に1ポンド=5.0ドルをピークに同年7月に向けて下落
となりましたが、11月ごろから再び上昇基調に回帰してきています。

 

「ドクターカッパー」という異名を持つこの銅価格は経済の先行きを
示す重要指標とされており、一般的に銅価格が上昇していけば景気
回復、下がれば景気減速という見方がなされます。

 

足元で上昇しているということは一見すると景気回復の兆しとも
捉えられるのですが、景気が良くなるということは、インフレが
再燃する可能性を示唆しています。

 

(米CPIの推移【前年同月比】)

 

米国のCPI(消費者物価指数)は昨年7月に9.1%を記録してから、昨年
12月まで6カ月連続で下がり続けているため、俄かに信じがたいかと
思いますが、先にも述べたように銅価格は実体経済に先行する指標
です。

 

実際に昨年3月に銅価格はピークを付けて下落していきましたが、
物価がピークを付けたのはそこから4か月後の7月ということに
なります。

 

その銅価格が11月から再び上昇してきたということは、同じ4カ月後
と考えると3月ごろから再度物価が上昇してくる可能性があるという
ことです。

 

市場参加者は次回3月のFOMCで利上げ打ち止め、その後は利上げ停止
期間をはさみ、ことしの11月から利下げに転じるだろうという
見方が強まっています。

 

(11月のFOMCでの利下げ確率36.1%)

 

しかしながら、中国のゼロコロナの規制解除、経済再開が加速して
くれば、銅価格はさらに上昇していく可能性があり、インフレ再燃を
もたらす可能性があります。

 

そうなれば、この楽観シナリオが見事に裏切られる形となり、市場では
利上げペース再加速というシナリオを考えることになり、その反動から
金利高、株安ドル高の動きになる可能性があることには注意が必要です。

 

次回は2月14日に1月の米CPIの発表があるように、だいたい2週間後に
前月の内容が公表されます。

 

危険なのは3月からのCPIの動向なので4月半ばに発表される結果あたり
から、もっと警戒感を持つためにはひと月前の2月のCPIが発表される
3月半ばあたりから気を付けて動向を観察しておいた方が良いと思います。

 

目先、特に今晩はアップル、アマゾン、グーグルの決算発表です。

 

メタは決算が好感されての上昇となっていますが、消費が減退している
アマゾンの先行き見通しや、OpenAIによるChatGPTの台頭から検索
エンジンが将来脅かされるとされているグーグルの今後の動向など
で一段高も反落もあり得ますし、週末は雇用統計の発表も控えて
いるためボラタイルな値動きにより損失を回避するためにはこれらの
イベントが通過してから動くのが安全です。

 

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