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◆時間外取引でグーグル、アップルなどハイテク大手下落
2023.02.03 日米相場概況 -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 27,402.05 +55.17
TOPIX 1,965.17 -7.06
マザーズ 785.27 +2.09
NYダウ 34,053.94 -39.02
ナスダック総合 12,200.82 +384.50
S&P500指数 4,179.76 +60.55きのうの米国市場は小幅にダウは下落、ナスダックは3%超の大幅高
と指数まちまちの展開となりました。1日のFOMCに引き続き、きのうはBOE(英国の中央銀行)が政策金利
を0.5%引き上げ3.50→4.00%、ECB(欧州中央銀行)も2.50→3.00
と利上げを実施しました。利上げ幅は予想と一致となりましたが、インフレへの警戒感が
和らいでいることを理由に想定よりも早い時期に利上げ停止となる
可能性が強まり欧州株が上昇。これを受けて米国の長期金利も一時3.3%まで低下したことで高PER
のグロース株が買われナスダックが大幅高となりました。個別銘柄では、きのう良好な決算を発表したメタが自社株買いも
手伝って+23%の大幅高。これにつられる形で2日に決算を控えるアマゾン、グーグルも窓を開けて
+7%、アップルも+4%弱の上昇となりました。一方でユナイテッドヘルスやメルクなどヘルスケアが下落、航空機の
ボーイングなども下げてダウの重石となりました。◆時間外取引でグーグル、アップルなどハイテク大手下落
2日のナスダックは+384.50ポイント高(3.25%)となり、昨年9月以来
の12000ポイントを超える上昇となりました。(ナスダック指数・日足チャート)
そして昨年11月より続いていた下降のチャネルをブレイクして、上昇
トレンドに流れが変わる兆しがみえてきています。この背景にあるのはきのうのFOMCでのパウエルFRB議長の発言で、
「ディスインフレ(インフレの鎮静化)が始まりつつある」といった
発言があったことで、今後の利上げペースが鈍化から停止、そして
年内利下げまで織り込んできたためと思われます。これに加えてきのう22年10~12月期決算を迎えたメタ(フェイスブック)
の売上高はクライアントの広告費抑制の影響で前年同期比4%減の321億
6500万ドルとなり、減収となったものの市場予想の315億5000万ドルを
上回りました。また設備投資や人件費などを抑えたローコスト経営に舵を切ったことなど
も好感され20%超の大幅高となったことでナスダックの大幅高につながり
ました。(メタプラットフォームズ・日足チャート)
ただ、足元の経済指標は先日の10-12月期の米GDPで個人消費が落ち込んで
いることや、1日に発表された1月のISMの製造業景況指数は47.4となり、
好不況の節目となる50を昨年11月から3カ月連続で割り込む結果となっています。(1月のISM製造業景況指数の内訳)
その中身を見ると特にNew Order(新規受注)が42.5と落ち込みが激しく、
Inventories(在庫)やCustomers Inventories(顧客在庫)が減少
したことは好感したいところですが、Production(製造)が前月の48.6
から48.0と落ち込んでいることから、積み上がっていた在庫が捌けた
だけで、新規受注が減少しているから製造自体も減少しているという
見方ができます。また足元の株価上昇は今後の利上げ停止、そして年内利下げという金融
政策だけに注目して上昇しているところが大きく、これら足元の景況感の
悪化は完全無視し、牽強付会の相場状況となっているところが非常に
危険だとみています。取引終了後に決算発表を迎えたアップル(▲2.1%)、アマゾン
(▲3.5%)、グーグル(▲4.1%)と総じて時間外取引で下落に転じて
おり、朝方は日本株もきのうの米市場の上昇を受けて高く始まる可能性が
ありますが、今晩は雇用統計も控えていることから徐々に朝の上昇分を
吐き出してくる展開を想定しています。米企業の10-12月期決算を俯瞰して見ると売上高はインフレにより
増収となった一方で、価格転嫁がうまく進まずドル高ということもあって
輸出関連を中心に利益面は減益というところが多く、玉虫色となって
いますが、実体悪が出てくるのはまだこれからと思われます。いまは利上げ停止「期待」祭りに耽溺している相場だけに流れが
変われば下げ足も早くなるため、下げの兆しが出てきたら足元の
上昇で含み益が減らないうちに利確を徹底していくようにしていく
と良いと思います。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。