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◆強い雇用統計受け、6月まで利上げ見通しへ
2023.02.06 マーケットニュース -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 27,509.46 +107.41
TOPIX 1,970.26 +5.09
マザーズ 783.75 -1.52
NYダウ 33,926.01 -127.93
ナスダック総合 12,006.96 -193.86
S&P500指数 4,136.48 -43.28先週末の米国市場は強い経済指標を背景に市場参加者の判断も分かれ、
売り買いが交錯する展開となりました。先週3日(金)の朝方に発表された12月の米雇用統計では非農業部門
雇用者数が51.7万人と予想の18.5万人を大きく上回る結果となり、
失業率も予想3.6%に対して、3.4%とかなり強い数字となりました。またその後に発表されたISM非製造業景況指数も予想50.4に対して、
55.2となり、1か月ぶりに好不況の節目となる50を上回る結果と
なりました。(ISM景況指数とS&P500指数の推移)
この結果を受けて、FRBによる金融引き締めが長期化するという思惑
が台頭し、米長期金利は3.5%に上昇、しかし良好な経済指標が出た
ということで、景気後退を懸念していた投資家たちの株買いも出て、
指数は一時プラス圏を推移する場面もみられました。しかし、一部ハイテク企業の冴えない決算や金利高を警戒した
ハイテク株の下げが重しとなり、主要株価指数は再度マイナス圏に
沈む展開となり、取引終盤にかけて下げ幅を拡大する動きとなりました。個別銘柄ではアップルが上昇。
前日夕に発表した22年10-12月月期決算はドル高や中国での生産が
滞ったことなどが影響し、4年ぶりに減収減益となり、下げてスタートと
なりましたが、中国経済の正常化とともに業績は持ち直すとのアナリストの
評価から買いが入りプラスに転じました。またEVのテスラは中国での1月の販売台数が2ケタの伸びとなったこと
や、バイデン政権が電気自動車購入を対象とした税制優遇措置の拡大が
材料視され上昇しています。一方、クラウド事業の伸び鈍化と大幅減益が嫌気されたアマゾンが急落。
アルファベット(グーグル)も決算で売上高・利益ともに市場予想を
下回ったことが嫌気され▲3%弱の下落となりました。◆強い雇用統計受け、6月まで利上げ見通しへ
先週末の米雇用統計では雇用者数が51.7万人という驚異的な数字
となり、一体事前予想は何だったのか?と思うほどあまりにも乖離
した結果となりました。この米労働省が発表する雇用統計の2,3日前には、民間の給与支払い
代行会社ADPが公表するADP雇用統計がありますが、そちらも
10.6万人という内容で、今回の50万人超とは似ても似つかない結果
となっています。つまりADPも事前の予想もアテにならないほど結果を読むのは難しい
ということなんだと思われます。そして注目すべきは今回の強い雇用指標を受けて、FRBの利上げの
見通しに変化が出始めたということです。先週のFOMCでパウエル議長が「ディスインフレの兆しが出てきた」と
発言したこともあって、市場では次回のFOMCで0.25%の利上げが行われ
たらそこで利上げ停止、年後半には利下げという予測が出ていましたが、
今回の雇用統計を受けて、3月に+0.25%の利上げ、そして6月にもう一段
の利上げという見通しに変わってきました。(FOMC会合ごとの政策金利予想)
雇用者が増え、失業率が低下したままの状況が続くとピークアウトを
迎えていたインフレが再度上昇してくる可能性もあり、FRBはターミナル
レート(金利の終着点)を定めていないだけに、市場がこれまで想定
していた年内利上げ停止、そして年後半には利下げという期待が剥落
してしまえば、再びの金利上昇、ドル高、株安へといつ流れが変わっても
おかしくないとみています。その意味で次回2月14日に発表される1月の米CPI(消費者物価指数)は
注目指標となってくると思います。今は良好な雇用統計の発表で、景気減速が緩やかなものになるとの見方
が出ていることが奏功していますが、物価の上昇が再度起こってくると
雇用が良好だから物価が下がらないというネガティブな見方に変わって
しまうリスクを孕んでいるといことです。目先は今回の雇用統計が好悪の判断入り混じる反応となっているため、
CPI発表までは堅調な展開になる可能性もありますが、高いところは
利確を的確に進めて、次の下落に備えてキャッシュ比率を高めていく
ようにしていきたいと思います。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。