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◆ソフトバングG、過去最大の赤字
2023.02.08 日米相場概況 -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 27,685.47 -8.18
TOPIX 1,983.40 +4.18
マザーズ 782.01 +5.64
NYダウ 34,156.69 +265.67
ナスダック総合 12,113.79 +226.34
S&P500指数 4,164.00 +52.92きのうの米国市場は3指数揃って反発となりました。
朝方はパウエル議長の講演も控えていたため、小動きでのスタートと
なりましたが、講演が始まると乱高下する展開を見せつつも取引
終盤にかけて3指数ともに上げ幅を拡大する展開となりました。7日にエコノミック・クラブ・オブ・ワシントンDCのイベントで
インタビューに応じたパウエル議長ですが、冒頭で「ディス
インフレのプロセスが始まった」と説明。その後も先日の雇用統計が力強い結果となったものの過度に
タカ派発言が見られなかったことをきっかけにリスクオンの
動きが強まり、上昇する展開となりました。一方で、発言の中では「インフレは鈍化しているが、まだすべき
ことは多くある」とコメントし、「今後の金融政策の方向性は
経済データ次第」とも発言したこともあって、米長期金利も
上昇し、一時3.7%弱をつけました。個別銘柄では、イクロソフトは自社製品にオープンAIの
チャットGPTを搭載すると発表し+4%超の上昇。アップルやアルファベット(グーグル)、メタ(フェイスブック)
などの主力ハイテク株もパウエル議長の中立的な発言をきっかけに
買い直される動きとなりました。◆ソフトバングG、過去最大の赤字
きのうの米国市場は中立的なパウエル議長の講演内での発言で
反発する展開となりましたが、日本株はきのう22年10-12月期
決算を発表したソフトバンクG【9984】が過去最大の赤字決算
となったことが市場の重石となる可能性もあります。ソフトバンクGの10-12月期決算では2四半期ぶりの7834億円の
赤字となり、ビジョン・ファンドの投資損失は7303億円となった
ことを発表。ビジョンファンドが投資している英半導体設計大手アームの年内
上場の可能性が高いことを示していますが、赤字内容にネガティブ
な反応が起こると225採用銘柄の中でも指数ウェイトの高い同社
ということもあって、日経平均株価の上値を抑える足かせと
なる可能性があります。また来週14日に控える1月の米CPI(消費者物価指数)まで特段
重たいイベントはないため、日米株価ともに今の水準で動きやすく
なると思いますが、先日もお伝えしているように下がり続けると
思われている物価が再度上昇してくることには今回の1月結果、
、そして次回3月に発表される2月結果あたりから警戒が必要
となります。その証左に米労働省が発表する通常のCPIのほかに、アトランタ
連銀が公表する粘着CPIというものがあり、こちらは下がるどころ
か足元でも上昇を続けているためです。この粘着CPIというものは帰属家賃や外食料金、医療関係など、
いったん上昇し始めるとなかなか下がらない品目を集めた物価指標
を指標としたもので、昨年12月は6.7%となっています。(粘着CPIの推移)
先日お伝えした銅価格に加えてこちらの上昇がピークアウトを
迎えて初めてインフレが落ち着きだしたと捉えた方が良いとみて
おり、次回またこれが発表された際にはお伝えしていきたいと
思います。とにかくいまマーケットはインフレが落ち着いてきて、雇用も
堅調なことからリセッション(景気後退)の可能性が低くなって
いるということ、FRBの利上げもあと1回(または2回)0.25%ずつ
の利上げで打ち止めになるだろうという見方からリスクを取る
動きに傾斜しすぎているところが多分に見受けられます。物価の再上昇が起きなければ杞憂に終わる話ですが、個人的には
複数のデータから考えるに再度上昇してくる可能性が高いと
みています。ポジション取りには十分気を付けてください。
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。