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◆恐怖指数VIXがじわりと上昇
2023.02.10 日米相場概況 -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 27,584.35 -22.11
TOPIX 1,985.00 +1.03
マザーズ 794.36 +1.70
NYダウ 33,699.88 -249.13
ナスダック総合 11,789.58 -120.94
S&P500指数 4,081.50 -36.36きのうの米国市場は3指数揃って続落となりました。
朝方発表された2月4日の週の新規失業保険申請件数は19.6万件となり、
市場予想の19.0万件を上回ったこともあり、労働市場の強さに弱さが
みられたことや好決算を発表したウォルト・ディズニーが朝方値を
飛ばしたこともあって反発基調で始まりました。しかし来週控える1月の米CPI(消費者物価指数)の結果を見極めたい
とする動きや、前日のFRB高官のタカ派発言もあって米長期金利が
再び3.7%弱まで上昇を始めると次第にセンチメントが悪化し、
マイナス圏に沈む展開となりました。個別銘柄ではウォルト・ディズニーの決算では売上高や動画配信の
契約者数が市場予想を上回り、増収増益となったことで朝方は
ギャップアップして始まったものの、その後は地合いの弱さも手伝って
上げ幅を縮小していき▲1.2%のマイナスとなりました。その他ダウ採用銘柄では事務用品のスリーエムや金融のゴールドマン
サックス、ドラッグストアチェーン大手のウォルグリーン、通信の
ベライゾン・コミュニケーションズなどセクターに偏らず下落。一方で値下げ効果で販売が加速しているEVのテスラは逆行高となり
8日続伸となっています。◆恐怖指数VIXがじわりと上昇
(VIX指数・日足チャート)
VIX指数の日足チャートを見ると、足元でMACDがゴールデンクロスを
し始めてきており、過去もVIXでゴールデンクロスが示現するとその後、
下落しています。昨年では8月半ば、そして年末の12月初旬です。
そのときのS&P500の値動きを見ると分かりますが、大きな下落に
見舞われています。(S&P500・日足チャート)
来週14日に控える1月の米CPIという重要イベントもあってか、米株は
上昇しても上値を抑えられる展開となってきており、もし仮にインフレの
ピークアウトを喜んでいる市場参加者の思惑とは裏腹に再上昇するような
ことがあれば、一気にVIXは上昇し、金利急騰、株急落という展開になる
可能性があることには注意が必要です。(米国市場の投資家センチメント)
米市場に参加している投資家のセンチメントは強気から弱気を差し引いた数字が
2月8日時点で13%とかなり楽観的になっており、10%を越えるのは21年12月
以来です。グラフを見ても分かるように強気の勢いが増してくると株価の上昇圧力と
してはたらいてくれますが、弱気に転じた場合、下げの勢いもその分
強くなります。これは需給要因が関係していて「強気=ロング(買い)の持ち高を
増やしている投資家が多い」ため、下げに転じてくると損切りを巻き込み、
そのときのロングの持ち高が多かったり、下落の材料が重い場合は、その
下げもきつくなるためです。この強気の状況下で来週のCPIを迎えても予想とほぼ一致となればサプライズ
なしのため上値は限定的、一方で予想を上回るインフレ、または上述した
ように物価上昇再燃となれば、マーケットはそれを織り込んでいないだけに
大きな下落に転じるリスクがあるということです。個人的には2月、3月のCPIあたりから雲行きが怪しくなるとみていますが、
念には念のため今回の1月のCPIから警戒感を持っておいても損はないと
思います。※本日の経済キーワード※
【VIX指数】
米シカゴ・オプション取引所(CBOE)が、S&P500種株価指数を対象と
するオプション取引のボラティリティ(変動率)を元に算出。将来の相場に対する投資家心理を反映する指数とされており、一般的
にVIXの数値が高いほど投資家の先行き不透明感も強いとされる。通常は、10から20の間で推移することが多いが、相場の先行きに大きな
不安が生じた時には、この数値が大きく上昇するという傾向がある。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。