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◆好調な景気指標受け、利下げ開始は来年に後ずれ
2023.02.16 マーケットニュース -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 27,501.86 -100.91
TOPIX 1,987.74 -5.35
マザーズ 765.07 -7.39
NYダウ 34,128.05 +38.78
ナスダック総合 12,070.59 +110.45
S&P500指数 4,147.60 +11.47きのうの米国市場はダウ反発、ナスダックは続伸で3指数揃って
上昇となりました。きのう発表された1月の米小売売上高は6969億ドルと過去最高額を
マークし、前月比で予想の1.8%を大きく上回る+3.0%の伸びと
なりました。また変動の激しい自動車を除く米1月小売売上高も前月比+2.3%
とこちらも3カ月ぶりのプラスに改善したことを受けて、FRBの利上げ
長期化が懸念され朝方はマイナス圏でのスタートとなりました。(米小売売上高とS&P500指数の推移)
しかし消費が伸びていることで景気後退のリスクも小さいという
見方もあり、下値を売り叩く動きは小さく景気への楽観的な見方を
背景に徐々に下げ幅を縮小。ハイテク株の買い戻しが下値を支えたことでナスダック指数は
上げ幅を拡大、消費の堅調さを背景にダウも引け間際にプラス圏に
浮上する展開でし、いずれもこの日の高値圏で取引を終えました。個別銘柄では宿泊サービスのエアビーアンドビーが+13%と大幅高
したほか、動画SNSのスナップチャットやウェブ会議のズームなど
アフターコロナで足元軟調な展開を強いられていた銘柄に買いが
入っています。一方で、通期利益見通しが市場予想を下回った医薬品のバイオ
ジェンが▲3.5%の下落、バフェット率いるバークシャーハザウェイ
が保有株を大幅に減らしたことが警戒され半導体大手のTSMCが
▲5.3%と大きく下落となりました。◆好調な景気指標受け、利下げ開始は来年に後ずれ
1月の米小売売上高は前月比で3.0%の伸びとなり、21年3月来で最大
の伸びとなりました。品目別では13カテゴリー全てが増加。自動車や家具、レストランなどの
伸びが目立っています。今月頭に発表された1月の米雇用統計に引き続き消費も堅調という
結果となったことからFRBが金利をより高水準でより長期にわたって
維持する後押しになる可能性があるとみています。パウエルFRB議長が会見のたびに「金融政策はデータ次第」と発言
していることに加えてFOMC投票メンバーでもあるボウマン理事など
複数のFRB高官から「金融引き締めによる景気悪化のリスクよりも
高いインフレ率が続くことの方がはるかにリスクが大きい」と
指摘しており、強い労働市況、消費市況が今後も継続するようなら
物価の下落に歯止めがかかり現在マーケットが期待している年内
利下げも泡沫のものとなります。ただし、今月発表されている良い経済指標が続く限りは利上げの
長期化懸念が台頭しても米国の景気後退懸念も和らいでくるため
暴落というような大きな相場下落になる可能性も低いです。今後は「利上げの継続 VS 強い経済指標の持続」というこの
綱引きの中でどちらかが根負けしてくればマーケットは上下に
大きく動く展開になるとみています。市場が期待しているように年央に利上げが停止され、利下げの
期待が高まる中で経済指標も強い状況が続けば株高になる
可能性も残されています。逆に利上げに疲弊して雇用の悪化や消費の鈍化など景気に敏感な
経済指標が弱まってくると金融政策は後手に回りやすいことから
米市場は下落しやすい展開になっていくことに注意が必要です。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。