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◆米市場は3月半ばからの下落に要警戒
2023.02.28 日米相場概況 -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 27,423.96 -29.52
TOPIX 1,992.78 +4.38
マザーズ 736.23 -12.61
NYダウ 32,889.09 +72.17
ナスダック総合 11,466.98 +72.04
S&P500指数 3,982.24 +12.20きのうの米国市場は3指数揃って小幅反発となりました。
朝方発表された1月の耐久財受注が前月比で▲4.5%と予想▲3.9%を下回る
結果となったことから米長期金利が低下。これを受けて先週末に大きく売られた
ハイテク株中心に買い直される展開となりました。一方で耐久財受注の非国防資本財から輸送用機器を除いたコア資本財は予想を
上回る結果だったこともあって利上げ加速への警戒感は根強く、3月1日に発表
される2月のISM製造業景況感指数も控えていることもあり、取引終盤に向かうに
つれて徐々に上げ幅を縮小する展開となりました。個別銘柄では、EVのテスラがドイツ工場での生産量が週4000台ペースと計画を
上回るペースとなったことが明らかとなり、収益増加への期待で+5%超の大幅高。またイーロン・マスク氏が3月1日の投資家デーで「マスタープラン3」
(地球の完全に持続可能なエネルギーの未来への道)を発表するとしており、
これに関しての思惑買いも入った格好です。その他、足元で売られていた動画配信のネットフリックスや重機のキャタピラー、
自動車のフォード、ボーイングなども安値を拾う動きがみられ反発となって
います。◆米市場は3月半ばからの下落に要警戒
米市場は経済指標の強さに支えられる一方で、それに伴うディマンドプル
インフレに対抗すべくFRBの利上げの長期化懸念の狭間で揺れ動く相場展開
が続いている状況ですが、目先は反発があっても限定的で3月半ば以降から
大きく相場の流れが変わりやすいことには注意が必要です。(ダウ平均・日足チャート)
ダウの日足チャートを分析すると下は32500ドル前後(白の水平ライン)、上は
34250ドル前後(黄色の水平ライン)での往来相場が続いている状況ですが、
この先はこのどちらか抜けた方向へ動きやすくなります。個人的にはマクロ環境を考えると米国は逆金融相場から逆業績相場へと移行期間
に入りつつあり、高金利から企業の収益が今後より一層落ち込みやすい環境へと
変遷していくことを考えると上を抜くというよりも下を割り込むという動き
の方が妥当だと考えています。テクニカル的にも白のジグザクラインで示したようにダウはトリプルトップを
示現させており、34250ドルラインは過去でもレジスタンス、サポートライン
として機能していることもあり高値掴みした投資家たちの戻り待ちも出やすい
ことから上抜けするには相当の買い材料が必要となります。3月半ばから流れが変わる理由として今月半ばに発表された1月の米CPI
(消費者物価指数)が予想を上回る上昇となりましたが、2月分のCPIが
3月14日に発表されます。レポートをさかのぼってもらえると分かりますが、個人的にはこの2月のCPI
が発表される3月から警戒とお伝えしてしてきましたが、実際はインフレ再燃は
1か月前倒しとなりました。ここから一段とインフレの再上昇がいったんは継続するものとみており、
市場では「まだ1か月上昇しただけ」と考えている投資家も多いと思いますが
これが2カ月連続となればターミナルレートの引き上げ、年内の利上げ停止
時期の後ずれ、利下げは来年か?と徐々に投資家センチメントを悪化させる
思惑がはたらきやすくなるため、3月半ばにかけては徐々にポジションを
落としてキャッシュ比率を高めていった方が安全かとみています。(12か月先のリセッション確率)
NY連銀が公表する米国の12か月先のリセッション確率は57.13%まで膨れ上がって
おり、コロナ禍以降で最高値をマークしていることも気がかりです。ダウで言うと30000ドルを割り込むような本格的な下げは年後半になると
みていますが、その手前にあたる地均しの下げに目先は警戒です。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。