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Market日米相場概況

◆世にも奇妙な米市場

2023.03.03 日米相場概況

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 27,498.87 -17.66
TOPIX 1,994.57 -3.24
マザーズ 748.96 +3.62
NYダウ 33,003.57 +341.73
ナスダック総合 11,462.98 +83.50
S&P500指数 3,981.35 +29.96

 

昨日の米国市場は米長期金利が4%超を推移する中で3指数揃って反発
する動きとなりました。

 

朝方発表された10-12月期の米非農業部門労働生産性・改定値は前期比で
1.7%と予想の2.6%から下落し、労働コストが上昇。

さらに2月25日の週の新規失業保険申請件数は19.0万件とこちらも予想の
19.2万件を下回る堅調な労働市場が継続していることからFRBによる金融
引き締めの長期化が意識され米長期金利は4%台を高原推移する格好と
なりました。

 

これを受けてハイテク関連の多いナスダックは序盤マイナス圏での
スタートとなりましたが取引時間中にアトランタ連銀のボスティック総裁
が次回会合での0.25%利上げを指示したこと、加えて「今夏にもデータ
次第で利下げ停止も可能性としてはあり得る」と発言したことが好感
されてダウ、ナスダックともに買い直される動きが強まり、プラス圏に
浮上する展開となりました。

 

個別銘柄では前日引け後に決算を発表し業績見通しが市場予想を上回った
セールスフォースが+11.5%の大幅高となり、1銘柄でダウを126ドル
押し上げたほか、百貨店のメイシーズも好決算を受けて+11.1%と大きく
値を飛ばす展開となりました。

 

一方で、EVのテスラはInvestor Dayで期待されていたマスク氏の
新基本計画で次世代モデルに関する詳細が発表されず失望感から売り優勢
で▲5.3%の下落。

 

金利が上昇した動きに反してバンクオブアメリカやウェルズファーゴ、
JPモルガンなど金融株が軟調に推移するなど株式と債券市場でちぐはぐな
動きが目立つ1日でした。

 

 

◆世にも奇妙な米市場

 

市況解説のニュースメディアでは事実だけを伝えるため実態や違和感に
対して見えにくいのですが、きのうの米市場の値動きは個人的には
腑に落ちないというか、理解に苦しむ値動きとなっていました。

 

まず朝方に発表された労働環境の指標は予想を上回る堅調な結果が
出たことで米長期金利が4%を超える動きとなりました。そしてこれを
受けて取引開始時点では株式は軟調な展開でのスタートとなりました。
ここまでは理解できます。

 

その後、中盤に上述したようにアトランタ連銀のボスティック総裁が
次回のFOMCでは0.25%の利上げを望む発言や夏には利上げ停止もある
との発言を受けて株が買い直される動き(おそらくその半分はショート
カバーによるもの)がみられました。

 

しかし、ボスティック総裁の発言を受けて、債券市場では金利は下がる
どころか上昇に加速がついて一時4.08%まで上昇する動きがみられ、
通常であれば、ハト派的な発言のため金利が下がって株価上昇ならば
理解できるのですが、金利は上昇する中で株高という奇妙なデカップリング
が起こっていました。

 

株式市場で機械的なHFT(超高速取引)がハト派発言に反応して、債券
市場ではこれが反応しなかったというくらいしか今は解釈が出来ていない
状況ですが、通常ではありえない動きであるということはお伝えして
おきます。

 

もし、この先も株価と金利がパラレルに動く展開が継続するようであれば、
「今の金利水準でも米株市場は割安」であるとか、「今後の業績面での
懸念が払しょくされて増益の見通しが出てきた」というようなマクロ
環境に何か大きな変化が出てきたことを疑う必要があります。

 

ここはもう少し時間を置いてみていく必要があります。

いずれにしても米市場が堅調な展開で帰ってきたことでダウもナスダック
も上昇していることやドル円が136円台で安定的に推移していることから
日本株も日経225、TOPIX、マザーズ総じて堅調な展開になりやすい一日
になるかと思われます。

 

今晩はISM非製造業景況指数の発表があります。

 

 

※本日の経済キーワード※

 

【ISM非製造業景況指数】

 

ISM(Institute for Supply Management:供給管理協会)が全米の非製造業
375社の購買担当役員に対するアンケート調査を実施し、その結果を基に
作成する景況感指数。

 

アンケート項目は受注、在庫、雇用、価格など10項目でISM製造業景況指数
と同様に50を好不況の節目とし、上待っていれば好況。下回れば不況と
解釈される。

 

中でも新規受注、在庫、価格の変化には注目しておきたい。

 

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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。


【執筆者(講師)情報】

ライター

中山まさかず

学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。

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