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Market日米相場概況

◆猫も杓子もグロース株物色

2023.03.24 日米相場概況

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 27,419.61 -47.00
TOPIX 1,957.32 -5.61
マザーズ 754.49 +8.88
NYダウ 32,105.25 +75.14
ナスダック総合 11,787.40 +117.44
S&P500指数 3,948.72 +11.75

 

きのうの米国市場は3指数揃って小幅反発となりました。
前日22日にイエレン財務長官は「政府は預金保護拡大を検討していない」
と発言していましたが、この日は一転して「必要ならば預金保護のために
追加的な措置を講じる用意がある」と明言したことでセンチメントの改善
につながり、指数を押し上げる要因となりました。

 

ただ中小金融機関を中心に信用不安への警戒感が根強いことや景気減速
への懸念から取引終盤にかけて上げ幅を縮小させる展開となっています。

 

個別銘柄では、空売りで名を馳せたヒンデンブルグリサーチがブロック
(旧スクエア)の決済アプリ「キャッシュアップ」を使って複数の個人が
同じ銀行口座を用いて給付金詐欺に利用された可能性があると指摘。
これにより同社株が▲15%の下落となりました。

 

また金利の先高観が後退したことで金先物価格が約1年ぶりの高値を付けた
こともあって、ゴールド関連のニューモントやバリックゴールドが上昇。

 

金利の低下を受けてネットフリックスが+9%の大幅高。その他マイクロン
テクノロジー、ASML、ラムリサーチ、アプライドマテリアルズなどの
半導体関連が買われる動きとなりました。

 

逆に下げたのはバンカメ、JPモルガン、モルガンスタンレーなどの金融株
で、原油価格が下がったことでエクソンモービルやシェブロンなどの
エネルギー関連株も弱い展開となっています。

 

 

◆猫も杓子もグロース株物色

 

米国発の信用不安により、FRBの金融政策のスタンスが変わりつつあること
から、株式市場にもその変化が現れてきました。

 

(GV倍率・週足チャート)

 

上図は米国のグロース株とバリュー株を比較した指数「GV倍率」になりますが、
上に行けばグロース株優位、下落すればバリュー株優位となる指数です。

 

少し前まではFRBによる拙速な利上げからバリュー株優位の展開が続いて
いましたが利上げ停止が近づいていることやこれまでの高利益率と積極的な
人員削減で内部留保を確保しているキャッシュリッチなグロース株物色へと
トレンド転換から変わってきたことを示します。

 

“猫も杓子も”と記したように、これは米株だけに限った話ではなく、日本株でも
米株ほど鮮明ではありませんが、ややその兆候が見られ始めてきています。

 

(MT倍率・日足チャート)

 

上図はマザーズ(グロース)指数とTOPIXを比較したものですが、上昇すれば
マザーズ優位、下落すればTOPIX優位となる指数です。

 

日本はことし4月で黒田日銀総裁が任期を終え、植田新総裁に変わることで現行の
金融緩和政策にも変更の手が加えられるのではという思惑も働いていること
から米株ほどグロース優位が先鋭化していませんが、足元ことし1月から大きく
上昇していた低PER、低PBRの銘柄は鳴りを潜め高値から下落している一方で
好業績、または今後AI、ChatGPT、メタバース、DXといった分野で成長して
いきそうなところは連日上昇するような銘柄も多数存在しています。

 

金融政策の変化は金利の変動だけにとどまらず、分かりやすいところでは
ゴールド、債券の値動き、そして株式では個別株物色にも大きな変化が
見られるようになることが分かると思います。

 

この流れを捉えずにこれまで上昇していたバリュー株などを足元で下落して
いるからと良い押し目だと勘違い拾ってしまうと、その後も下落が続いて
万年見放された割安株を手にしてしまうこともあり得ます。

 

今年に入り、JPXがPBR(株価純資産倍率)1倍割れが常態化している企業に
対して経営の効率化を図るよう要求したことから海外マネーが日本の低
PBR企業を挙って物色するという動きが目立ちましたが、今回の上昇は
あくまでも期待の買いであって、実際にテコ入れがなされなければ
その後の継続的な買いが続くことはありません。

 

このあたりは中経およびそれに伴う資本政策の変化(自社株買いなどで
自己資本比率を下げてROEを高めるような政策)、決算短信での
業績の変化など少し時間が経過してみないことには手を出しづらいと
個人的には感じています。

 

米市場は個別銘柄はハイテク株を中心に元気な企業もありますが、指数
事態で見ればまだまだ下降トレンドを抜けきれない状況でセンチメントが
悪化している状態は続いています。

 

(NYダウ・日足チャート)

 

この下降トレンドが上昇に回帰しないことにはセンチメントが改善したとは
言いにくく、上がっては下げ、上がっては下げを繰り返す可能性があるため、
米株の影響を受けて日本株もまだまだボラタイルな展開が続くとみています。

 

詰まるところ順張りも逆張りもやりにくい環境です。

 

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※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。


【執筆者(講師)情報】

ライター

中山まさかず

学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。

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