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◆新年度相場入りで流れが変わるか?海外勢の買いに注目
2023.03.28 日米相場概況 -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 27,476.87 +91.62
TOPIX 1,961.84 +6.52
マザーズ 751.30 -3.45
NYダウ 32,432.08 +194.55
ナスダック総合 11,768.84 -55.12
S&P500指数 3,977.53 +6.54きのうの米国市場はダウは続伸、ナスダックは反落と指数まちまちの
展開となりました。今月頭に経営破たんをしたシリコンバレーバンクの引受先が決定し、
市場心理が改善、地銀株を中心に買い直しの動きが入る一日でした。具体的には米東部ノースカロライナ州地盤の銀行持ち株会社、
ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズグループがSVBを買収する
ことで合意したと発表。米財務省やFRBが米当局が地銀への緊急融資制度の拡充など支援策を
検討しているともあって、地銀株を中心に金融株に買いが入る動きが
見られ、今週の注目イベントでもあったFRBのバー副議長が議会公聴会で
「必要があれば金融機関の規模にかかわらずすべての手段を使う用意
がある」と述べたことも支援材料となりました。個別銘柄ではバンカメ、シティ、ウェルズファーゴ、JPモルガン、
ゴールドマンサックスなど金融株が上昇。その他、原油高を受けてエクソンモービルやシェブロンなどのエネルギー
関連株が買われ、ボーイングやキャタピラーなどの景気敏感株なども
上昇しました。◆新年度相場入りで流れが変わるか?海外勢の買いに注目
信用不安の問題はあれど、毎年この時期になるとアノマリーが
意識されるようになります。それが新年度相場入りの海外マネーの流入です。
2013年のアベノミクス相場以降外国人投資家は毎年4月に大量の日本株の
買い越しを行ってきています。さすがに20年4月はコロナパンデミックが起きたタイミングでしたので
このときは売り越しとなりましたが、2022年4月 +1.16兆円
2021年4月 +4056億円
2020年4月 -7442億円
2019年4月 +1.6兆円
2018年4月 +2088億円
2017年4月 +9139億円といったようにまとまった買いを入れてくれるのが特徴です。
この背景には四半期末でのポートフォリオのリバランス、配当の再投資
などから買いが強まるタイミングと考えられています。特に3月や3月の配当取りの時期を過ぎて4月初旬に株価が軟調な展開を
示した後には市場が息を吹き返したかのような強い上昇相場となりやすい
のが特徴です。では今年は?というと日経平均株価は3月9日に28734円の高値を付けた後、
欧米の信用不安から3月16日には26632円まで2000円以上売り込まれる
展開となりましたが、それでも昨年末のような大幅な下落までには
至らず、足元ではこう着相場となっています。この背景には配当や優待をもらうまでは株を保有しようという投資家も
いるだけに下げが一定程度にとどまった可能性もあり、4月に入ると
この流れが変わる可能性があります。(日経平均株価・日足チャート)
仮にも上図のように明後日に控える配当権利落ち日後をきっかけに株価が
売られ、26000円前後まで下押しするような展開となれば、4月初旬は軟調、
その後4月半ばあたりで底打ちし、5月の大型連休あたりまで上昇という
ようなシナリオも考えられます。4月に入ってすぐさま海外勢が日本株を買い越しに動き出す展開となれば
4月初旬の下落はなく、そのまま上昇していき再び28000円オーバーを
伺うという展開も考えられます。米市場は先日もお伝えしたように下げトレンドの中の天井付近まで上昇
してきているだけにここから素直に下降トレンド打破できるか、踵を
返して再度下落していくのかで日本株への資金流入のタイミングも
変わってくると思われます。(S&P500・日足チャート)
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。