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REPORTレポート

◆経済指標の結果で動きが変容してきたマーケット

2023.04.04 レポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 28,188.15 +146.67
TOPIX 2,017.68 +14.18
マザーズ 762.78 +13.33
NYダウ 33,601.15 +327.00
ナスダック総合 12,189.45 -32.45
S&P500指数 4,124.51 +15.20

 

きのうの米国市場はダウは上昇する一方で、ナスダックは原油価格の
上昇でインフレ再燃が意識され反落となりました。

 

朝方発表された3月のISM製造業景況指数は予想47.5に対して、46.3と
下回る結果となり、2020年5月以来の低水準となったことを受けて、
景気減速が意識され、ダウ採用銘柄の中でもディフェンシブの一角に
買いが入るような展開となりました。

 

(ISM景況指数とS&P500指数の推移)

 

何度かご紹介していますが、ISM景況指数と株価には強い相関性があり、
足元で堅調にも見える米市場ですが、前年比で見てみるとここ数カ月は
アンダーパフォームしている状態が続いている状況です。

 

(ISM製造業景況指数の内訳)

 

詳細を見ると2月に比べて新規受注、雇用、価格、受注残(Backlog Orders)が減少
したことはネガティブ要因で、在庫(Inventories)が減少していることはプラス
材料ですが、顧客在庫(Customers’Inventrories)が増加していることで新規受注
も雇用も停滞気味になったというのが個人的な印象です。

 

もちろん何を軸にしてポジティブ、ネガティブと捉えるかは違ってきますが、
景気という側面で見た場合上記のイメージとなります。

 

インフレの鈍化に重きを置いてみた場合、上記の見解すべて逆の見方となり、
新規受注及び受注残、価格そして雇用の低下というのはポジティブ要因として
はたらいてきます。

 

またきのうはOPEC(石油輸出国機構)と非加盟の主要産油国で構成する
「OPECプラス」による2日の協調減産決定で、5月から日量100万バレルを
越える減産を実施することが決定したことで原油価格が上昇。

 

(WTI原油・日足チャート)

 

原油価格は直近値下がりして一時1バレル64ドル台の安値を付けていまいたが、足元では
26週移動平均線(オレンジ)を上抜けて1バレル80ドルまで急騰しています。

 

コモディティ(商品)を中心に取引するディーラーの間では、原油価格は再び
100ドルを目指していくような展開になるとの見方も出てきています。

 

個別銘柄では油価が上昇したことで、エクソンモービルやシェブロンなどエネルギー
関連銘柄が上昇したほか、ISM製造業景況指数の低下を受けて製薬のメルクや
ユナイテッドヘルスなどの医療保険株などディフェンシブが買われる動きとなりました。

 

一方で、前日発表の1~3月の販売台数が市場予想に届かなかったEVのテスラは▲6.1%
と大幅安となっています。

 

 

 

◆経済指標の結果で動きが変容してきたマーケット

 

上述したようにきのうはISM製造業景況指数の予想以上の低下を受けて米市場が
反落するという結果になりましたが、注目すべきはそこではなく、「これまでの
市場の反応との違い」です。

 

昨年夏以降は「経済指標の鈍化=金利低下圧力、株高」という方程式が成り立って
いましたが、ここにきてこの方程式が崩れてきており素直に

 

「経済指標の鈍化=株安」という反応に鮮明に変わってきたということです。

 

これは逆業績相場の典型的な反応で「経済指標が悪ければ株は売られるよね」、
という非常に結果=値動きという予想しやすいマーケットの反応となってきました。

 

そして逆業績相場が終焉を迎えるころには今度は「経済指標の悪化=株高」と
今度は経験値の少ない投資家にとっては俄かに株を買うのが怖い時期へと
変容してきます。

 

これは、景気が悪化したことで金融緩和が実施され、それでも実体経済へと波及
してくるのは金融引き締め同様に半年~1年経過した後ということになります
ので経済指標はまだ悪い内容が出ている間でも株式市場は金融緩和による景気回復
を先取りした格好で株高が始まるようになります。

 

所謂、金融相場の始まりということです。

 

(4つの相場サイクル)

 

このように経済指標の結果に対するマーケットの反応の変化を見ていくことで
相場がいまどのフェーズにあり、そのフェーズの中でも初期のタイミングなのか、
今のフェーズが終わり、次のフェーズへの模様替えのタイミングなのかをみていく
ことでポジションの取り方であったり、パフォーマンスが大きく変わるということ
です。

 

今は上図4つの相場サイクルの中でも逆行政相場の中腹地点にあると考えており、
人によっては利上げ停止間近ということで、逆業績相場は終盤でそろそろ金融相場に
入ると考えている人もいるかと思います。

 

しかしながら、先にも述べた経済指標に対する市場の反応の変化がつい最近
始まったばかりということを考えると終盤と捉えるのは時期尚早と考えています。

 

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