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Marketマーケットニュース

◆金融政策 < 経済指標(動向)

2023.04.10 マーケットニュース

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 27,518.31 +45.68
TOPIX 1,965.44 +4.16
マザーズ 730.43 -3.40
NYダウ 休場
ナスダック総合 休場
S&P500指数 休場

 

先週末の米国市場はイースターのグッドフライデーのため休場でした。

 

市場は休場だったものの、先週末は3月の米雇用統計が公表され、
雇用者数は前月比で+23.6万人(予想:23.9万人)、失業率は
3.5%(予想:3.6%)という結果でした。

 

雇用者数は予想よりも小幅に低下したものの、2月の雇用者数が
31.1万人から32.6万人に上方修正されたことや、失業率が
予想を0.1ポイント上回る結果となったことで、米長期金利が
上昇。

 

このところ3.3%付近でこう着していましたが、今回の雇用統計
の結果を受けて5月頭に開かれるFOMCでの+0.25%の追加利上げの
蓋然性が高まりました。

 

一方で、足元でISMなど弱い経済指標が続いていたこともあり、
そんな中でも労働環境は引き続き強い状態が維持されている
ことからダウ先物は上昇。

 

今回の雇用統計がマーケットにとってネガティブ材料とは
ならなかったことを示唆しています。

 

 

 

◆金融政策 < 経済指標(動向)

 

今回の雇用統計を受けて、米株市場は休場だったため債券市場
だけで判断するしか今のところありませんが、(月夜の米株市場で
確定します)マーケットの感応度を「金融政策の見通し」に重きを
置いているか、「経済指標(動向)」に重きを置いているかに
分けたときに、今は後者に重きを置いているというのが個人的な
感想です。

 

今回の雇用統計発表後、失業率は予想よりも低下し、引き続き
強い雇用情勢が窺えました。

 

(5月FOMCでの利上げ観測)

 

これにより発表前までは利上げなし、+0.25%の利上げがほぼ五分五分
という見通しでしたが、雇用統計の発表を受けて一気に+0.25%の利上げ
確率が7割を越えました。

 

ここまでは従来通りの反応で、強い経済指標やインフレ指標が出てくれば
FRBは利上げを継続するという観測から重要指標の発表後、金利が上昇して
きました。

 

ただ、これまでと株式市場の反応が違ってきています。

 

これまで「金利高、株安」という反応だったのが、「金利高、株高」
という反応に変わってきたということです。

 

先にも述べたように週末は米株市場は休場だったため先物の動きだけでしか
状況が把握できていませんが、少なくともダウ先物は雇用統計発表後、
プラスの動きとなっています。

 

そこだけをトリミングして分析をすれば、「金融引き締めが続こうとも
経済、特に雇用が堅調であれば株式市場にとってはプラス」という反応を
示していることを意味します。

 

つまり、金融政策よりも経済指標の強弱に株式市場はより反応している
ということです。

 

これは、先週のISMの製造業、非製造業景況指数の時からも見られたこと
で、今回3月のISMは両者とも予想を下回る結果となりました。

 

この発表をきっかけに米株は金利が低下しているにもかかわらず、上値が重い
展開となりました。

 

今回の雇用統計はISMとは逆で強い結果となったことを素直に好感して
ダウ先物が上昇していたため、金融政策の動向よりも経済指標の
動向に重きを置いた値動きをしているという結論に至りました。

 

ただしこれは危険な反応であり、最終的には金融引き締めと強い経済指標
が両立するということは過去振り返ってもあり得ないことです。

 

冷静に考えればわかることですが、経済指標が強いままでインフレが
落ち着くことはないですし、インフレが高止まりするようであれば
FRBは利上げを継続していく姿勢を見せています。

 

ということは最終的には実体経済が高金利政策に腰折れする結果が
待っています。

 

足元のマーケットの反応が継続していくという前提で考えれば、
「強い経済指標=株高、悪い経済指標=株安」というロジックで動く
ならば、いずれ悪い経済指標が相次いだ際には株安という反応でマーケット
は応じることになってきます。

 

非常に短絡的かつ危うさを内包した反応と捉えておいて損はないかと
思います。

 

今週は3月の米CPI、小売売上高などの発表があります。

今のところCPIは前月から鈍化、価格変動の大きい食品、エネルギーを
除くコアCPIは前年同月比で上昇という予想となっています。

 

予想通りとなれば、鈍化と上昇がまちまちなためマーケットもやや反応
しづらい状況となります。

 

一方で小売売上高の予想は前月比で▲0.4%となっており、この通り
の結果となれば、「悪い経済指標=株安」という反応になりやすく
なりますので、今週末、日本市場にとっては週明けの月曜日が鬼門
となります。

 

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※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。


【執筆者(講師)情報】

ライター

中山まさかず

学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。

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