REPORTレポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価　27,923.37 +289.71
TOPIX　1,991.85 +15.32
マザーズ　744.42 +5.20
NYダウ　33,684.79 +98.27
ナスダック総合　12,031.88 -52.48
S&P500指数　4,108.94 -0.17

きのうの米国市場はダウは上昇、ナスダックは下落と指数まちまち
の展開となりました。

イエレン財務長官が先月の銀行破たんの後、「米国内で信用収縮は
見られず、景気は強い状況」と発言したことから景気敏感株が
買われる1日となりました。

一方で、取引中盤でNY連銀のウィリアムズ総裁が「あと1回の利上げが
妥当」との見解を示したことから米長期金利が上昇。
金利が上昇したことでハイテク株を中心に売られやすくナスダックは続落
となりました。

その後、シカゴ連銀のグールズビー総裁の「利上げに積極的になり過ぎない
よう注視すべき」との発言が伝わるとナスダック指数は下げ幅を縮小する
場面がありましたが、翌日に控える3月の米CPI（消費者物価指数）の発表を
前に積極的に買われる動きはありませんでした。

ちなみにウィリアムズ総裁（ややタカ派）もグールズビー総裁（ややハト派）
もことしのFOMCの投票メンバーであり、その発言はマーケットに影響力が
強い人物となります。

個別銘柄では、重機のキャタピラー、工業・事務用品のスリーエム、航空機
のボーイング、化学のダウなどの景気敏感株が買われたほか、銅関連の
サザンカッパーやアルミ大手アルコア、ニューコアなど資源関連株が買われ
ました。

一方でマイクロソフト、アマゾン、アップル、アルファベットなどの主要
ハイテク株は金利上昇を受けて軟調。半導体のエヌビディアやアドバンスト
マイクロデバイセズ、KLAなどの半導体株も反落となりました。

◆すべては今晩のCPI発表待ち、投機筋は売りにベット

今週に入り、日米株共に商いが低調な状況が続いていますが、その要因は
今晩発表される3月の米CPIの結果待ちで動きづらい展開のためです。

直近の予想では

＊消費者物価指数（前年比） 6.0%（2月結果） 5.1%（3月予想）
＊消費者物価指数（前月比） 0.4%（2月結果） 0.2%（3月予想）
＊消費者物価指数[コア]（前年比） 5.5%（2月結果） 5.6%（3月予想）
＊消費者物価指数[コア]（前月比） 0.5%（2月結果） 0.4%（3月予想）

と、価格変動の激しい食品とエネルギーを除くコアCPIの前年比が前月を上回る
見通しで、その他は前月から低下する予想となっています。

マーケットが次回のFOMCであと1回の利上げでその後は利上げ停止に入る
と見越していることからシンプルに上記の予想を上回る数字が出てくると
金利高株安という反応になりやすい状況となります。

一方で、予想を下回る数字が出れば市場の期待通りということになり、
利上げ停止期待から大幅高となる可能性もあります。

特に直近ではヘッジファンドなどの投機筋がCPIの発表を前にS&P500先物
の売りポジションを32万1459枚と大量に積み上げており、この数字は
2011年11月以来の規模となります。

サブプライム問題が勃発した2007年には41万枚近くまでショートポジション
が積み上がったことから32万枚という数字はここ数年来では非常に大きな
売りを積み上げていることになります。

そのため、ヘッジファンドらは目先下がることにベットしているだけに、
良好な結果となった場合、この大量の売りポジションの買戻しを余儀なく
されますので結果が良好だった場合の方が一時的な価格変動は大きく
なりやすいと思われます。

CPIを無事通過できたとしても今週末からＪＰモルガン、ウェルズファーゴ、
ブラックロック、シティといった金融株の1-3月期決算発表があります。

先月に急きょ信用不安が高まっただけに預金動向や貸倒引当金などの
積み上がりなどに注目が集まります。

重要イベントが控えているだけに今晩から来週頭にかけては非常に
ボラタイルな展開となりやすくなるため、持ち高を調整してイベントの
結果を待つというのが安全なスタンスとなります。

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