REPORTレポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価　28,606.76 -52.07
TOPIX　2,040.38 -0.51
マザーズ　763.49 -2.13
NYダウ　33,897.01 -79.62
ナスダック総合　12,157.23 +3.82
S&P500指数　4,154.52 -0.35

昨日の米国市場は来週より本格化する米企業の決算を見極めたいとする
動きから3指数小動きの一日でした。

きのうFRBが公表した地区連銀経済報告（ベージュブック）では、雇用と
インフレは減速し、与信が減って、米国の経済活動はここ数週間足踏み
状態にあるとの認識が示されたことも相場の重石となりました。

また欧州では３月の消費者物価指数が発表され前年同月比で予想と
一致する+5.7％の伸びとなったものの、英国の消費者物価指数は
予想9.8％に対して、+10.1％と高い伸びを示したことから英国の長期金利
が上昇、これにつれ高する形で米国の長期金利も3.6％近くで高止まり
したこともハイテク株の重石となりました。

個別銘柄では18日に決算を発表した動画配信のネットフリックスが
売上高の実績と見通しが市場予想に届かなかったことで▲3.1％の
下落。

またオランダの半導体製造装置のASMLの1-3月期決算は中国での需要が
低迷したことが嫌気されこちらも▲3％の下落となった一方で、
保険のトラベラーズカンパニーズが好決算で＋6％の上昇となった
ことでダウの下げを食い止める形となりました。

◆ECB理事会、決算発表を控え様子見機運強い展開

足元の米市場はこれからラッシュとなる1-3月期決算と今晩のECB理事会
を前に様子見機運の強い展開で小動きとなっています。

株式のボラティリティを示す恐怖指数VIXは16.4と低い水準であり、
債券市場のボラを示すMOVE指数も低下していますが、先日ご紹介した
ブラックスワン指数とも呼ばれるSKEW指数はトレンドをブレイクした
状態で高い水準に位置しているままとなっています。

（SKEW指数）

もちろんSKEWｓ異数が上昇したからとて必ずその後に下げが訪れる
というわけではありませんが、市場が何らかの理由により株価下落に
備えていることは間違いありません。

米国では一般企業の決算もスタートしましたが、好決算や今後の見通し
が明るいところは買われ、冴えない決算を発表したところは売られるという
素直な決算プレーの動きがみられます。

ポイントはやはり大手ハイテク企業の決算と見通しでポジティブな見通し
の企業が多ければ株価の上昇につながりやすく、暗い見通しであれば
4－6月期以降の企業業績を警戒して売られやすい地合いとなります。

日本では来週末より大型連休に突入しますし、きのうもお伝えしたように
3月9日に付けた高値まで上昇している状況です。

（日経平均株価・日足チャート）

5月3日～5日と3日間休場となる目先スケジュールとPERやテクニカル的な
株価水準を考えればここから積極的に買いを膨らませる動きは徐々に
乏しくなり、下落調整に入るかは別として持ち高調整の動きも出やすく
上値は重くなってくるとみています。

いますぐに急ぐことはありませんが、来週は利益、損失、売買ルールを
持たれている方はそのルールに関わらず持ち高を減らして連休明け欧米
市場の動向で上にも下にも振れ幅が大きくなりやすい日本株の動きの変動
リスクに対処できるようなポジションで連休を迎えるのが賢明かと思います。

※本日の経済キーワード※

【SKEW指数】

S&P500指数を対象とするオプション取引で、コール（買う権利）に
対するプット（売る権利）の需要の強さを表す。
プットの需要が増えるということは、将来下落に備えてのポジションを
取っていることとなり、市場が下げに警戒していることを示す。

SKEWの上昇はマーケットで想定外の事象を意味するブラックスワン
（黒い白鳥）が出現する可能性を示唆する。

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