-
◆ハイテク株好決算期待、オールドファッションは決算後下落
2023.04.27 日米相場概況 -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 28,416.47 -203.60
TOPIX 2,023.90 -18.25
マザーズ 738.57 -12.26
NYダウ 33,301.87 -228.96
ナスダック総合 11,854.35 +55.19
S&P500指数 4,055.99 -15.64きのうの米国市場はダウ続落、ナスダックは反発と指数まちまちの
展開となりました。ファーストリパブリックバンクが24日に発表した1-3月期決算では
大規模な預金流出があり、米政府も同行の救済には消極的との報道が
伝わったことで決算後▲50%弱の下落となり、金融不安再燃となっています。(ファーストリパブリックバンク・日足チャート)
動向の下落をきっかけに大手のJPモルガンやゴールドマンサックスも
小幅ながら下落。信用状況の引き締まりが米景気に悪影響を及ぼすことが警戒される展開と
なりました。その他個別銘柄では25日夕に1-3月期決算を発表したマイクロソフトが
+7%高となり相場を下支え。決算発表を控えるアマゾンも上昇。
マイクロン・テクノロジーやエヌビディアなどに買いが入り、半導体
指数のSOXも6営業部日ぶりに反発となっています。また取引終了後に決算を発表したメタ・プラットフォームズが時間外取引で
+11%高と大幅高となっています。◆ハイテク株好決算期待、オールドファッションは決算後下落
マイクロソフトやメタなどハイテク株は決算を受けて上昇する一方で
化学のダウ・インク、自動車のGE、工業、事務用品のスリーエムや、
先行きに慎重な見通しを示した物流大手のUPSなどは急落。防衛関連のレイセオン テクノロジーズなども軟調な展開とハイテク
以外は決算後売られている銘柄の方が多い印象です。米国主要企業の決算ラッシュは5月の第1週あたりまでがピークで、
今後も決算プレイの値動きとなりやすい地合いが続くものと思われます。米指数がまちまちの展開だったことが示すようにオールドファッション
が軒を連ねる景気敏感株中心に構成されているNYダウは下落となり、
ハイパーグロース系と言われる銘柄群が軒を連ねるのがナスダック指数
ということもあってこちらはハイテク株の決算期待から上昇となって
います。ただしこの状況は非常に脆い相場状況を示しているとみており、これから
決算を迎えるアマゾン、アップルの決算が過ぎ去れば材料がなくなる
ということです。市場の注目は再びインフレ動向、金融政策動向、加えて再燃した一部
中小銀行の破たん懸念とそれに対する政府の対処方針などネガティブ材料
になりやすいイベントが控えており、いくらハイテク株が好調と雖も
市場の視点はこちらに移りやすいと考えています。加えて明日、28日には植田日銀新総裁になって初の日銀会合が行われますが、
今のところ市場のコンセンサスは現状維持、つまり金融緩和維持と
されていますが、3月の消費者物価指数(コア)は前月の3.5%から
3.8%と上昇が続いており、日銀が目標とする物価指標2%を優に超えて
いる状態が常態化しつつあります。そのため、政策は維持される可能性はあるものの今後の会合で
現行のYCCの更なる引き締めなどに言及するおそれもあり、そうなれば
利上げが最終局面に差し掛かる米国と引き締め開始が意識される日本との
金利差からドル安円高に進行しやすい展開となるとみています。よってこの4月末~5月頭は相場の流れを変える鬼門の時間帯となると
みています。国内でも4月末から5月半ばにかけて3月決算企業を中心に決算発表
ラッシュともなりますので、何度もお伝えしているように今週は持ち高
調整の週として連休明けから欧米の市場動向を見据えたうえでポジションの
再構築をしていくのが賢明と考えています。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆マナカブ公式ブログ
https://manakabu.com/news/◆Twitter
https://twitter.com/manakabu◆Facebook
https://www.facebook.com/manakabucom━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
-
【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。