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REPORTレポート

◆ファーストリパブリックバンク経営破たん

2023.05.02 レポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 29,123.18 +266.74
TOPIX 2,078.06 +20.58
マザーズ 741.72 -3.52
NYダウ 34,051.70 -46.46
ナスダック総合 12,212.60 -13.99
S&P500指数 4,167.87 -1.61

 

週明けの米国市場は先週末の大幅上昇もあって、利益確定の売りが
出やすく3指数ともに揃って反落となりました。

 

きのう発表された4月のISM製造業景況指数は47.1となり、好不況節目と
なる50を昨年11月以降6カ月連続で下回る結果となったものの、予想の
46.7よりかは上回る結果となりました。

 

内訳は以下になります。

 

(ISM製造業景況指数の詳細)

 

ポイントはアンダーラインを引いた項目で、新規受注、雇用(Employment)、
顧客の在庫(Customers Inventories)、価格が3月から総じて上昇して
います。

 

在庫の増加に関してはその時々の状況に拠っての判断が必要で、在庫が
増えるということはモノが売れてないから在庫が積み上がるパターンと、
今後の需要拡大を見越して品切れを防ぐために在庫を確保しているパターン
とがあります。

 

サプライチェーンの混乱はすでに落ち着いていますし、雇用も増えて価格
も上昇してきていることから将来の販売強化のために在庫を増やしたと
捉えられる内容です。

 

この結果を受けて総合指数は50を下回りましたが、詳細の中身が改善を
示してきていることからFRBが6月以降も利上げを継続していく警戒感が
強まり、米長期金利は3.4%台から3.6%に急上昇。

 

金利の上昇が株価の重石となりました。

特に金利上昇に敏感なハイテク、グロース株に売りが出やすく個別銘柄
ではアマゾンや動画配信のネットフリックス、マイクロソフトのほか、
マイクロンテクノロジー、インテルなど半導体の一部も売られる展開
となりました。

 

一方で半導体のエヌビディアは+4%の上昇となり、同セクターでも
値動きはまちまちとなっています。

 

 

 

◆ファーストリパブリックバンク経営破たん

 

名実ともに5月相場に入った矢先ですが、きのうは渦中のファースト
リパブリックバンク(FRC)が経営破たんとなり、預金と資産をJPモルガン
・チェースが買収すると発表しました。

 

FRCの総資産は4月13日時点で2291億ドル(約31兆円)で米国の銀行破綻
としては、3月に破綻したシリコンバレーバンクを上回り、史上2番目の
規模となります。

 

(FRC・週足チャート)

 

これを受けてFRCはきのうも▲43.3%の下落となり、3.51ドルまで下落。

 

一方で買収したJPモルガンは利益押し上げにつながるとの期待から+2.1%
の上昇となっています。

 

今回のFRCの破たんは、3月のシリコンバレーバンク、シグネチャーバンク
の破たんのときとは違って、JPモルガンがすぐに買収したことで信用不安
の拡大とはならず、株式市場への影響も限定的なものとなりました。

 

しかし、この破たんを受けてザイオンズ・バンコーポレーション(ZION)や
パックウェスト(PACW)など同業の地銀はFRCの破綻を受けて預金減の
警戒感が強まり株価下落となっています。

 

いくら大手銀行と雖も買収がプラスとなると判断すれば今後も引受先
として手を挙げると思いますが、有象無象に地銀の破たんが広がったり、
その際にどこの大手行も買収に手を挙げないとなれば、顧客の預金残高のうち、
保護されない預金の割合が大きい地銀などではFRCと同じように預金流出が
起こり、破たんに追い込まれる可能性は今後も続くとみています。

 

当たっては欲しくないものの、6月~8月にかけて大きな相場の大変動が
起こるとみていますが、今回の一件がその予兆とならないことを願って
います。

 

 

※本日の経済キーワード※

 

【ISM製造業景況指数】

 

全米供給管理協会(ISM:Institute for Supply Management)が
発表する米国景況感を示す指標である。300社以上の(非)製造業の
購買担当役員に対して、アンケート調査を実施し指数を算出する。

一般に、数値が50%を上回ると景気拡大、50%を下回ると景気後退と判断
され、毎月第1営業日に発表されるため速報性が高く、景気の先行指標
として市場の注目度は高い。

 

 

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