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◆結局行って来いとなった連休中の米国市場
2023.05.08 マーケットニュース -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 29,157.95 +34.77(5/2)
TOPIX 29,157.95 +34.77(5/2)
マザーズ 744.15 +2.43(5/2)
NYダウ 33,674.38 +546.64
ナスダック総合 12,235.41 +269.02
S&P500指数 4,136.25 +75.03まずは連休中の米市場の振り返りです。
NYダウ ナスダック S&P500
5月2日(火) 33,684.53(-367) 12,080.51(-132) 4,119.58(-48.29)
5月3日(水) 33,414.24(-270) 12,025.33(-55) 4,090.75(-28.83)
5月4日(木) 33,127.74(-286) 11,966.40(-58) 4,061.22(-29.53)
5月5日(金) 33,674.38(+546) 12,235.41(+269) 4,136.25(+75.03)
米市場は2日~4日まで主要3指数は3日続落後、値ごろ感から5日は
大幅反発となり、フタを開けてみれば2日と5日の値幅はほぼ
横ばいといった展開となりました。日本が連休中に3日には5月のFOMCが開催されましたが、市場の
コンセンサス通り+0.25%の利上げが実施となりましたが、その後の
パウエル議長の会見では「金融引き締めが正当化される場合、より多くの
ことを行う用意がある」と述べ、利上げ打ち止めに対する期待が後退し、
タカ派的と受け止められたことで下げが加速。続く4日は身売りや増資などを検討している報じられた地域銀行の
パックウエスト・バンコープが急落し、米中堅金融機関の連鎖的な
経営破綻が警戒され、金融株を中心に売りが広がりセンチメントが悪化。5日は前日まででダウが1000ドル近く下落したこともあり、自律反発の
買いが入りやすかったことに加え、アップルの決算、そして4月の米雇用統計
では、非農業部門雇用者が前月比25.3万人増と、市場予想の18万人増を大幅に
上回る結果となったこと、失業率も予想3.6%に対して、3.4%に低下するなど
米景気悪化への過度な警戒が和らいだこともあって大幅反発となりました。アップルの1-3月期決算では売上高と1株利益が市場予想を上回り、5%弱の上昇。
先月の決算発表から下げていたEVのテスラも+5.5%の上昇となり、SNSの
スナップや半導体のアドバンテスト・マイクロ・デバイセズなど決算後に
売られていた銘柄に値ごろ感から見直し買いが入る一日となりました。◆結局行って来いとなった連休中の米国市場
3日から日本は大型連休の後半へ突入しましたが、米市場ではFOMCを
前に持ち高調整で売りが出て、その後も銀行不安の再燃などから下げ幅を
拡大させましたが、上述したように値ごろ感やら強い雇用指標によって
切り返す展開となり、結局行って来いの値動きとなりました。目先は9日までに訪れる米国の債務上限問題があります。
債務上限問題とは、米政府が国債発行などで借金できる枠のことで、
政府債務が法定上限に達すると、議会の承認を得て上限を引き上げない限り、
新規の国債発行ができなくなり、一時的に米国債のデフォルト懸念が持ち
上がります。この債務上限問題は民主党と共和党間でしばしば政争の具にされる
言わば結果が分かっているイベントであり、米国債がデフォルトすること
はまずないと思いますが、この決着に時間がかかるようであれば、市場の
波乱要因になります。そして10日には4月の米CPI(消費者物価指数)が公表されます。
今回は資源、エネルギー価格の上昇により前月比で+0.4%上昇する予想
となっています。3月は+0.1%の伸びとなり予想を下回りましたが、そのときにお伝えしていた
ように予想通り上昇となれば、3月の低下は一時的なものだったという
ことになります。市場では今回のFOMCで利上げが打ち止めになると期待しているよう
ですが、堅調な労働環境、インフレに落ち着きが見られないとなれば、
FRBは年内さらなる利上げ実施も十分にあり得るとみています。さらに国内では今月半ばまで3月期決算企業を中心に決算発表ラッシュ
となりますので、保有銘柄の決算発表日などのチェックは怠らず、
リスクを減らすために持ち高を調整していきたいと思います。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。