REPORTレポート

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価　29,122.18 -120.64
TOPIX　2,085.91 -11.64
マザーズ　752.42 -8.22
NYダウ　33,531.33 -30.48
ナスダック総合　12,306.44 +126.89
S&P500指数　4,137.64 +18.47

きのうの米国市場はダウは小幅安、ナスダックは1％の上昇と指数
まちまちの展開となりました。

きのう発表された4月の米CPI（消費者物価指数）は前月比で0.4％と
予想と一致、前年同月比では4.9％と予想よりも0.1ポイント低下と
予想と大きく乖離することのない結果となりました。

予想通りCPIが予想とほぼ一致となったことでCPI自体はあまり
材料視されませんでしたが、9日に行われた米債務上限問題に
進展がなく、12日に再協議されるということで、こちらの不透明感が
高まっており、相場の重石となっています。

個別銘柄では文章や画像を自動でつくる生成人工知能（AI）を40超の
言語で提供すると発表したグーグルが4％の上昇と値を飛ばしたほか、
アマゾン、マイクロソフトなど主要ハイテク株が堅調。
前日に売られていたKLA、ラムリサーチ、ASMLなどの半導体関連も
切り返す動きがみられました。

一方で、前日に1-3月期決算を発表した宿泊サービスのエアビー＆ビー
は１株利益、売上高とも予想を上回ったものの、第2四半期の売上高
見通しが予想を下回ったことが嫌気されて▲10％超の下落となった
ほか、資源関連のサザンカッパー、ニューコア、アルコアなどが
景気減速を警戒した売りに押される展開となっています。

◆6月からの利上げ停止期待上昇

きのう発表された4月の米CPIでは前年同月比の伸びが約2年ぶりに
5％を切り、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数も小幅ながら
鈍化となりました。

特に今回ポイントとなるのは住居費を除いたサービス価格、いわゆる
スーパーコアが前回の前月比0.4％から0.1％に低下。
前月比での上昇率がもっと顕著に減速し、航空運賃やホテル宿泊費が
低下しました。

これを受けて短期金利市場では6月のFOMCでの利上げ停止の確率がCPI
発表前の前日78.8％から発表後では93.9％と大きく上昇となっています。

（6月FOMCでの金利見通し）

FRBが物価目標とする年率2％にはまだ倍以上の開きはあるものの、今回
一度上がり出したら下がりにくく粘着性が高いサービス価格がピークアウト
を示したことで6月のFOMCでは利下げの公算が高まったものと思われます。

（粘着価格CPIの推移）

利上げ停止が実施されればマーケットは一時的にそれを好感しての
上昇が起こると思われますが、その一方で
「インフレ率の低下＝需要の減退」とも捉えることができ、本格的な
リセッションが近づいていることにも警戒をしておかなければ
ならないとみています。

1月に配布した特別レポートでも示していますが、現在米国の長短金利は逆イールド
の状態となっています。

（償還年限別の米債利回り）

ここに実は米国株式崩壊の「ある予兆」が隠されています。

2000年、2007年から始まった株価暴落の前にも逆イールドが発生し、その予兆が同じく
みられました。

今回もそのある予兆を経て同じ轍を踏むとすれば、暴落は避けられないとみています。

そして受講生の皆様が暴落に巻き込まれて資産を減らさないためにも
この逆イールドの予兆に変化が起これば逐一共有していきたいと思います。

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