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Marketマーケットニュース

◆ハイテク株一強の米市場の持続性

2023.05.12 マーケットニュース

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

◆きのうの日米株価指数終値

 

日経平均株価 29,126.72 +4.54
TOPIX 2,083.09 -2.82
マザーズ 756.49 +4.07
NYダウ 33,309.51 -221.82
ナスダック総合 12,328.51 +22.07
S&P500指数 4,130.62 -7.02

 

きのうの米国市場は物価指標の落ち着きから金利が低下したことで
ハイテクグロース株優勢の展開でダウは下落したものの、ナスダック
は上昇と指数まちまちの展開となりました。

 

前日発表の4月の米CPIに続き、きのうは米PPI(生産者物価指数)が
発表となりましたが、前月比で0.2%(予想:0.3%)、前年同月比でも
2.3%(予想:2.4%)とそれぞれ予想よりも下回りました。

 

(米PPI前年同月比推移)

 

また価格変動の激しい食品とエネルギーを除くコアPPIも前年同月比で3.3%と
なり、前月の4.2%から大きく低下しました。

 

これを受けて利上げ停止期待が高まり、米長期金利が3.3%台まで低下
したことで、金利に敏感なハイテク株を中心に買い直される動きがみられ
ナスダックは小幅ながらプラス圏での推移となりました。

 

ただインフレの落ち着きはきのうもお伝えしたようにディマンドプルの
減退を意識させるためダウ採用の景気敏感株にはネガティブ材料となって
います。

 

個別銘柄ではピンドォ、アリババ、バイドゥなど中国EC関連が賑わったほか、
グーグル、テスラ、アマゾン、メタなど主要ハイテク株が堅調でした。

 

一方で、ウォルト・ディズニーが1-3月期決算を発表し、動画配信サービスの
ディズニー+の加入者が2四半期連続で減少したことが嫌気されて▲9%弱の
下落。

 

その他銅のサザンカッパー、フリーポートマクモラン、金鉱のニューモント、
アルミ大手アルコアなどのシクリカル関連も景気敏感の一角ということで
軟調でした。

 

 

◆ハイテク株一強の米市場の持続性

 

上述したように米CPIに加えてPPIも低下傾向となったことで米長期金利が
低下し、きのうは(も)金利敏感のハイテク株が強い一日となりました。

 

(米主要ハイテク株とS&P500指数の年初来パフォーマンス)

 

主要ハイテク株とS&P500の年初来の動きを確認すると、総じてS&P500指数をアウト
パフォームしていることが分かります。

 

ハイテクビッグ5に加えてEVのテスラも足元では1-3月期決算でEVの価格競争に
巻き込まれてマスク氏が値下げを発表したことが嫌気されて軟調な展開となった
もののそれでもS&P500を年初来で上回る水準です。

 

特にハイテクビッグ5の中でも赫々たる上昇を見せているのがメタであり、
その背景にあるのは人員削減と設備投資抑制によるコスト削減での明るい
業績見通しが好感されています。

 

その他ビッグ4+テスラはほぼ同率のパフォーマンスとなっています。
マイクロソフト、アマゾンに関してはそれぞれ「Azure」「AWS」といった
クラウドサービスが成長のけん引役となっていましたが、その成長にも鈍化が
みられ始めています。

 

グーグルもYouTubeの停滞やChatGPTの台頭によるユーザーの検索行動の
多様化による広告収入のピークアウトなどが懸念材料となっており、
ハイテク株一強と雖もその中でも優勝劣敗が鮮明化している状態です。

 

逆を言えば指数をアウトパフォームしている理由もメタも含めて主要
ハイテク株も総じて弱く、メタもコスト削減が好感されていますが、この
デトックス策は延々と続けられないことは自明の理です。

 

さらにきのうは米地銀のパックウェストバンコープが▲23%急落するなど
金融システムを巡る不安が再燃しており、この影響は先日のFRC破たんに
とどまらず当面他の地銀でも当面燻る不安材料となってくると思われます。

 

国内でも決算発表が佳境となってきましたが、年初低PBRで脚光を浴びていた
鉄鋼、非鉄などの資源関連株の今期の業績見通しが総じて弱く減益傾向と
なっていることはマクロ面で景気が減速してきていることを示唆しています。

 

ハイテク株の言わば「だましだましの上昇」の時間稼ぎの間にマクロ経済面の
改善がみられて資源株、景気敏感株の持ち直しが見られれば問題はありませんが、
そうならず一強であったハイテク株もその他軟調セクターに足を引っ張られる
ような展開となれば、ヘッジファンドもペンションファンドなど指数を
アウトパフォームすることが至上命題である運用会社がこぞってハイテク株に
ベットしているだけに下げに転じた際には大きな調整になる可能性がある
とみています。

 

 

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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。


【執筆者(講師)情報】

ライター

中山まさかず

学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。

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