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Market日米相場概況

◆日銀のYCC修正案が急浮上

2023.07.28 日米相場概況

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

 

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価 32,891.16 +222.82
TOPIX 2,295.14 +12.05
マザーズ 771.96 +1.93
NYダウ 35,282.72 -237.40
ナスダック総合 14,050.11 -77.17
S&P500指数 4,537.41 -29.34

 

きのうの米国市場は良好な経済指標を受けて3指数揃って下落する
展開となりました。

 

前日のFOMC後、市場では今回の利上げがことし最後になるかもしれない
との期待感がありましたが、強い経済指標が出たことで利上げが継続
される警戒感からリスクオフの動きが強まる一日となりました。

 

きのう公表された米国の4-6月期GDP速報値では前期比年率で2.4%の
伸びとなり、予想の1.8%を大きく上回る結果となり、個人消費においても
予想1.3%に対して1.6%の強い伸びとなりました。

 

また6月の耐久財受注も前月比で1.0%の伸びに対して4.7%と予想を大きく
上回る結果となったことから年内あと1回の利上げが実施されるという
警戒感が高まり、米長期金利が今月初旬以来、約3週間ぶりに4%台に
急上昇。

 

これを受けて足元で13連騰していたダウを筆頭に売られ、ナスダックも
主要ハイテク株の一角が値を下げ指数の重石となりました。

 

個別銘柄では、市場予想を上回る4-6月期決算や7-9月期の売上高見通しを
発表したメタが大幅高。

 

半導体関連も堅調で売上高・利益ともに市場予想を上回り、見通しも予想を
上回ったラムリサーチが9%超の大幅高となり、KLAやアプライド・
マテリアルズ、マイクロンテクノロジーなどにも買いが波及し、ナスダック
は下落したものの半導体のSOX指数株指数はプラスで推移する展開となっています。

 

 

◆日銀のYCC修正案が急浮上

 

きのうから始まっている日銀金融政策決定会合ですが、ここにきて
現状維持という観測が揺らぎ始めています。

 

日本経済新聞が独自取材で得た情報によると、今会合でイールドカーブ
コントロール(YCC)の修正案が出る可能性があると報じています。

 

内容としては長期金利の変動幅は現行の±0.5%に据え置くものの市場動向
に応じて0.5%を一定程度超えることも許容するというものです。

 

これまで日本の長期金利が0.5%まで上昇してくると日銀が国債を大量に
買付し金利を抑えるという行動を取ってきましたが、これをしないという
ことです。

 

もしこれが実施されるようであればリスクプレミアムが変わるため
特に資金の大きい海外勢をはじめ年金運用など大口のマーケット参加者
を筆頭にポートフォリオの見直しが図られるため日本株においては大きな
下落要因になる可能性があります。

 

実際の会合内容の結果が出るのは本日のお昼頃となりますので、結果を
待つしかありませんが、もし本当にこれが実施されるとなると足元で
現状維持を期待してロング(買い)ポジションが積み上がっていること
もあって、8月は例年のアノマリー通り夏枯れ相場となり、軟調な展開
になる可能性もあるということです。

 

 

いずれにしても本日は会合後の結果で現状維持でも政策修正でも
市場のボラティリティが高まりますので注意が必要です。

 

 

※本日の経済キーワード※

 

【リスクプレミアム】

 

リスクプレミアムとは、リスク資産の期待収益率と安全資産のリターン
の差のこと。

 

リスク回避的な投資家は、同じ期待収益であるならばリスクをとる
よりも確実に収益を得られる選択をする。

よってリスク回避的な投資家はリスクがある資産には、そのリスク
分だけより高い収益を求める。

 

投資家は国債や預金などの無リスク金利に対して、リスクのある株式を
いくらの利回りが上乗せされれば買う気になるのか、その上乗せ部分、
見返りの部分がリスクプレミアム。

 

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※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。


【執筆者(講師)情報】

ライター

中山まさかず

学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。

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