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◆S&P500は上昇トレンドの上限に到達
2023.08.02 マーケットニュース -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 33,476.58 +304.36
TOPIX 2,337.36 +14.80
マザーズ 780.62 +3.30
NYダウ 35,630.68 +71.15
ナスダック総合 14,283.91 -62.11
S&P500指数 4,576.73 -12.23きのうの米国市場はダウは続伸、ナスダックは下落と指数まちまちの
展開となりました。前日に決算を発表した重機大手のキャタピラーは売上、1株利益が市場予想
を上回ったことが好感され9%の上昇となった一方で、米長期金利が急上昇
し、4.0%台で推移したことがハイテク株の重石となりました。またきのうは7月のISM製造業景況指数が発表となり、結果は46.4と6月から
改善となったものの依然として好不況の節目となる50を9カ月連続で下回り
ました。(7月ISM製造業景況指数のサブインデックス)
内訳を見ると新規受注、生産、受注残は上昇した一方で雇用は低下、在庫も
上昇と中身もポジティブなところとネガティブなところが混在している
結果でした。(製造業の雇用情勢)
特に製造業の雇用指数は4月の50.2から44.4と大きく低下してきており、
今週末に7月の雇用統計、失業率の発表が控えていることから決算プレイの
物色以外は様子見ムードの強い一日でした。個別銘柄では、キャタピラーが上昇したほかアナリストが投資判断を引き上げた
アパレルのギャップやアメリカン・イーグルが上昇。一方でコロナウイルスワクチンと治療薬の特需が剥落し販売低迷が痛手と
なったファイザーが下落、これを受けて同業のモデルナも▲3%超の下落と
なり軟調な展開。今週決算発表を予定しているアップルやアマゾンなども金利上昇と決算前
ということもあって軟調でした。◆S&P500は上昇トレンドの上限に到達
足元のS&P500は昨年1月に付けた高値4818ポイントまであと5%というところ
まで上昇してきており、市場参加者の強気な見方は変わらないものの
夏枯れが意識されやすい時間帯でもあります。(S&P500・週足チャート)
テクニカル的にも昨年10月に底打ちしたS&P500は上昇トレンドへと回帰しましたが、
上昇チャネルの上限まで到達しており、利益確定売りが出やすい状況です。昨年も8月の中旬から大きく下落していったことがあるため、この警戒感が強まり
上値が重くなる可能性があります。8月上旬で米国の4-6月期決算も一巡し、材料不足する中できのうお伝えした
ようなインフレ再燃、雇用情勢の悪化などネガティブな材料が出てきたりすると
踵を返したように売り込まれるリスクがあることには注意が必要です。ただこと日本株においては先日の日銀会合で長期金利の指値オペの上限は
引き上げられたものの緩和スタンスは維持されていることもあって、
米株安=日本株安とはならない可能性もあるとみています。うまく相場が回れば米国株で利益確定売りが出て、その資金が日本株に流入する
といったグレートローテーションが起こる可能性もあり、市場参加者
の多くが8月、9月は夏枯れで下がるといった警戒感があればあるほどその方向
とは逆の方向に流れが向かいやすいのも事実です。よってスタンスは変わらず上がっている銘柄に飛びつくのではなく、
夏枯れが起ころうが起こらまいが直近好決算を発表した銘柄を中心に
下押ししたところは喜び勇んで拾っていくというのが奏功するとみています。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。