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◆雇用統計無事通過し、レンジ圏での展開続く
2023.08.07 マーケットニュース -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 32,192.75 +33.47
TOPIX 2,274.63 +6.28
マザーズ 764.29 +2.89
NYダウ 35,065.62 -150.27
ナスダック総合 13,909.24 -50.48
S&P500指数 4,478.03 -23.86先週末の米国市場は雇用統計の強さを受けて3指数揃って下落となりました。
注目された週末発表の7月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想の
20.0万人増に対して18.7万人増と下回る結果となったものの、平均時給の
伸びは前年比で4.4%上昇したほか、失業率が3.6%の予想に対して3.5%と
約50年ぶりの低水準となったことからFRBによる利上げ継続が意識された
ことで株式市場は軟調推移となりました。また時価総額最大のアップルが前日発表の決算への失望売りで大きく下げた
ことでしだいに売りが広がり指数はマイナスに転じ、ダウは3日続落、ナスダック
とも4日続落で取引を終えました。個別銘柄では、決算発表をきっかけにクラウド事業が好調で純損益が黒字転換
したアマゾンが8%超の大幅高。同じく決算を好感した買いでオンライン旅行サイトのブッキングが大幅高と
なり、医薬品のアムジェンやギリアド・サイエンシズも決算を手掛かりに
大きく上昇。その他、前日急落した半導体のクアルコムが反発し、AMDは続伸。
エヌビディアやインテルなど半導体セクターの一角が上昇。一方、アイフォーンの販売が振るわず3四半期連続の減収となったアップル
が売られ相場の重石となりました。◆雇用統計無事通過し、レンジ圏での展開続く
週末の雇用統計は事前予想から大きく乖離することなく無事通過したと
みて良いと思います。失業率は過去50年来の低水準で賃金の伸びも好調であることからFRBの
利上げが年内あと1回行われるか、行われなかったとしても現在の高金利水準
が維持されるものと思われますが、実体経済への悪影響は出ていないことは
株式市場にはプラスです。ただし金利の先高観やフィッチによる米債の格下げによる金利上昇圧力が
はたらいている以上はこれが警戒材料となり、安くなった場面は買われやすい
一方で、高いところは買いにくいといった展開となりやすく、大きなネガティブ
材料が加わらない限りは目先の米市場はレンジ圏での値動きとなるとみています。日本市場も大型のところでは先週のトヨタの4-6月期の好決算が出たタイミング
が決算の一巡を示すため、来週頭まで続く4-6月期決算内容を受けて個別銘柄の
上下動はあるものの、個別銘柄の決算結果が相場を大きく動かすという動きは
なく、先週巻き起こった日銀のYCC修正や米債格下げによるボラタイルな値動き
は落ち着いてくるとみています。(海外勢の日本株売買状況)
海外勢の売買動向では7月28日の週は738億円で5週連続の買い越しとなっており、
少し前の5月、6月の週間で数千億円単位で買っていたほどの勢いはないものの
日本株の買い意欲は継続しており、下をどんどん売り叩くというような展開には
ならないものと思われます。(日経平均株価・日足チャート)
よって日経平均株価は足元では水色の高値切り下げ、安値切り上げの中で動いて
おり、新たなネガティブ材料が出てこない限りは目先はこの中で小幅な上下動を
繰り返しながら9月相場まで動いていくものとみています。レンジ圏での戦い方としては安くなったところを丁寧に拾っていき、反発して
上昇したタイミングでは手堅く売り抜けて、再び下がってくるところを待つ
というスタンスが奏功しやすくなります。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。