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Market日米相場概況

◆日経平均は目先31000円前半の下落に警戒

2023.08.16 日米相場概況

いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。

 

 

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価 32,238.89 +178.98
TOPIX 2,290.31 +9.42
マザーズ 741.49 -7.12
NYダウ 34,946.39 -361.24
ナスダック総合 13,631.05 -157.28
S&P500指数 4,437.86 -51.86

 

きのうの米国市場は3指数揃って下落となりました。

 

ここ2日間、お盆休みで相場概況の発信をお休みしていましたが、今週
に入っていろいろな経済指標が発表されましたので確認しておきたい
と思います。

 

まずきのう朝方に国内の4-6月期のGDP速報値が発表され、年率換算で
6.0%と予想の3.1%を大きく上回る成長率となり、前期比でも1.5%成長
と大きく伸びる結果となりました。

 

(23年4-6月期GDP速報値)

 

ただ、その高い成長率の背景にあるのは外需の伸びと公的需要(政府支出)、
インフレによる住宅価格の上昇によるもので国内成長のコアとなる個人消費
がマイナスとなっているため、成長はしているけれども国内はまだ元気が
ないという状況です。

 

続いて中国でも7月の小売売上高、鉱工業生産指数が発表されましたがともに
予想を下回る結果となり、改めて中国景気の減速が意識されています。

 

そして昨晩は7月の米小売売上高も公表されました。

 

(米小売売上高とS&P500指数の推移)

 

結果は6963億ドル(約101.3兆円)と過去最高額をマークし、前月比で
予想0.4%に対して0.7%との伸びと米国の個人消費の堅調さが示されました。

 

一方で同時刻に発表された8月のNY連銀製造業景況指数は予想▲1.0に対して
▲19.0と大きく下振れし、前月の1.1からも大幅に低下する結果となっています。

 

(NY連銀製造業景況指数とS&P500指数の推移)

 

NY連銀製造業景況指数は月ごとにブレも大きいため3か月の移動平均で見て
いますが、ことしの初旬に▲20の底を付けてから上向いてきているため
S&P500もこれに連動して堅調な上昇となっています。

 

きのうの米国市場は中国景気の不安、米国の堅調な消費から金融引き締めの
長期化が意識されて米長期金利が4.2%台まで上昇したことに加えて、
今月頭に米債の格付けを行ったフィッチレーティングスが大手米銀を含む
70行以上を格下げする可能性があるとの報道が出たことで金融株が下落
したことが米市場の下落となりました。

 

個別銘柄ではアルミ大手アルコアやバリックゴールドなど資源関連が
下げたほか、中国の景気減速で原油消費が鈍るとの懸念からシェブロンや
エクソンモービルなどのエネルギー関連も軟調。

 

フィッチの格下げ報道でバンクオブアメリカ、シティ、JPモルガン、
ゴールドマンサックスなど主要の金融株もそろって下落。

 

上昇したのはバフェット氏率いるバークシャーが購入していると
一部で伝わっているレナーやDRホートン、ホームデポなど住宅
関連株が上昇となりました。

 

 

◆日経平均は目先31000円前半の下落に警戒

 

きのうの米市場が軟調だったことで目先の日経平均株価も本日は
反落する展開が予想されます。

 

まず日経平均株価との相関性の高いナスダックですが、上昇トレンドは
継続中なものの先月下旬から今月頭に高値圏とお伝えしていたように、
そこから反落し、目先は下落のリスクが高まっています。

 

(ナスダック・週足チャート)

 

続いて景気動向が気になる中国の香港ハンセン指数は下落トレンドに
あり、足元はその下落トレンドの中の天井を付けてこちらも目先は
下方向への模索が続いている状況です。

 

(香港ハンセン指数・週足)

 

イメージ的には21年2月に天井を付けて下落していったときと同じ轍を
踏んでおり、足元では18000ポイントが良し切れるところですがここを
割り込んでしまうと下げが加速していくような状況にあります。

 

そしてこれら海外市場を踏まえて日経225先物を見ると非常に危険な状況に
あるとみています。

 

(225先物・日足チャート)

 

何度かご紹介している先物チャートは2本の水色のラインの中を推移していれば
問題ないとお伝えしてきましたが、足元ではそのラインを割り込んできており、
下方向への圧力が高まってきています。

 

ここから黄色いラインのように回復出来れば問題ないですが、夏枯れ相場も
手伝って海外勢を中心にポジション調整が進むと今週末から来週にかけて目先は
31000円前半あたりまで下落するような展開になってくると思われます。

 

(日経平均株価の月別騰落率)

 

 

8月は年間を通してもどうしても下げやすい相場です。

ただ長期的なトレンドは崩れていないため、いまは相場的には短期的な
冬の時期だと思って下がったときに拾えるチャンスを狙っていくタイミング
です。

 

相場格言に「Sell In May(5月は売れ)」という格言があるのは有名ですが、
実はこの格言には続きがあって、

 

「Sell in May and go away come back on Labour Day.」

(5月は売れ、そしてレイバーデイには戻ってこい)

 

というのが正式な格言です。

 

このレイバーデイというのは米国の9月の第1月曜日で日本でいうところの
勤労感謝の日にあたる祝日で、このレイバーデイあたりから株を買って
いけば報われるよとの格言になっています。

 

奇しくも上図の日経平均株価の月別騰落率をみても8月下旬に下げ止まり、
9月からは年末に向けて上昇となっていることからまんざらでもない格言
と言えるでしょう。

 

 

※本日の経済キーワード※

 

【ニューヨーク連銀製造業景況指数(NY連銀製造業景況指数)】

 

米国の地区連邦銀行のひとつであるニューヨーク連邦銀行が発表する
ニューヨーク地区の製造業の景況感を示す経済指標。

 

景況指数はアンケート調査の結果を指数化した指標で、なかでも製造業
景況指数は今後の景気動向を占う「先行指標」とされています。

 

こうした中、ニューヨーク連銀製造業景気指数は、基本的に毎月15日に
発表され、フィラデルフィア連銀製造業景況指数、ISM製造業・
非製造業景気指数など他の景況指数より発表が早いため、他指数の
予測をするのに用いられます。

 

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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。


【執筆者(講師)情報】

ライター

中山まさかず

学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。

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