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◆米国市場は買いのターンに突入
2023.10.12 日米相場概況 -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 31,936.51 +189.98
TOPIX 2,307.84 -4.35
マザーズ 699.48 -8.61
NYダウ 33,804.87 +65.57
ナスダック総合 13,659.68 +96.83
S&P500指数 4,376.95 +18.71きのうの米国市場は米長期金利の低下を背景にダウ、ナスダックともに
4日続伸となりました。朝方発表された9月の生産者物価指数は以下の通り
・米・9月生産者物価指数:前月比+0.5%(予想:+0.3%、8月:+0.7%)
・米・9月生産者物価指数:前年同月比+2.2%(予想:+1.6%、8月:+2.0%←+1.6%)
・米・9月生産者物価コア指数:前月比+0.3%(予想:+0.2%、8月:+0.2%)
・米・9月生産者物価コア指数:前年同月比+2.7%(予想:+2.3%、8月:+2.5%←+2.2%)とエネルギー価格の上昇が影響し揃って予想を上回る結果となったものの、
相場への影響は限定的。今晩発表となる9月のCPI(消費者物価指数)の伸びは鈍化すると
予想されていることや、足元で原油価格が大きく下落していること、
足元のFRB高官の利上げ慎重姿勢などが支援材料となりプラスでの
スタートとなりました。また取引開始後はFOMC議事要旨の発表待ちで一時マイナス圏に沈む場面
もみられましたが、いざその内容では、「もう1回の利上げが適切」との
意見が多かった一方、大半の参加者が「景気の先行きは極めて不透明」と
の理由から「利上げ打ち止め」を支持する意見もあり、中東情勢の不透明感
もあることから次回のFOMCでは利上げは見送られるとの観測が強まり、
発表後は再び上昇する展開となりました。個別銘柄ではアナリストが投資判断と目標株価を引き上げた医薬品の
アムジェンが大幅高。同じくアナリストによる高評価を手掛かりにボーイングも上昇しました。
また金利低下を受けてメタ、アマゾン、グーグル、マイクロソフト、
アップルも揃って上昇となり中国の景気刺激策への期待から中国での
売上シェアの高いGAP、ナイキなど小売関連も堅調。半導体関連も上昇となりました。
◆米国市場は買いのターンに突入
先日、日米株価がともに大幅な下落に見舞われた際にご紹介した売買の
ターンを図る指標で下図をご紹介しました。そのときにもお伝えしたように上図の2つの値動きは逆相関で動いており、
青いラインが上昇となれば株は下落し、青いラインがが下落をすれば株価は
上昇しやすい環境にあります。このところずっと上昇を続けていた青いラインですが、足元で下落に転じたことで
ここからは買いのターンに突入となりました。また足元では米長期金利も年内あと1回の利上げを織り込んで上昇していた節があり、
週末のハマス、イスラエルの紛争の影響で皮肉にも利上げがやりにくく
なったことや資産の逃避先として債券が買われ金利も低下しています。そうなってくると債券市場で利上げを想定して債券のショート(空売り)
に賭けていたディーラーたちは買い戻しを余儀なくされてしまいます。(米国債のショートポジション合計)
足元では米債のショートポジションが150万枚以上積み上がっており、
これは過去3年間で最も高い水準です。通常のマーケットの動きではリスクオフの事態が起こると安全資産として
の債券が買われ、金利は低下、そして株安へとつながるのですが、
あまりにも債券ショートが積み上がっているために、これが買い戻されて
金利が低下しても、株式市場はその金利低下を好材料として上昇するという
リスクが台頭しているときにはあまり見られない債券と株式の動きとなっている
というのが足元の現状です。次回11月1日のFOMCで利上げがないとなれば、12月にもFOMCはありますが、
年内は利上げはないとみています。そうなれば、このタイミングから一気に債券ショートが買い戻されていくことに
つながれば、11月、12月は金利低下を恩恵とした株高シナリオがみえてきます。この10月、下がったところは売るときではなく「買う場面」です!
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。