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◆日銀会合、さらなる長期金利の上限幅拡大実施か
2023.10.31 マーケットニュース -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 30,696.96 -294.73
TOPIX 2,231.24 -23.41
マザーズ 640.94 -1.06
NYダウ 32,928.96 +511.37
ナスダック総合 12,789.48 +146.47
S&P500指数 4,166.82 +49.45きのうの米国市場は明日のFOMCでの利上げは実施されないとの見方が
強まり、3指数揃って大幅反発となりました。現在、FOMCメンバーによるFOMC前の金融政策に関する発言が控えられる
ブラックアウト期間中ですが、パウエルFRB議長の伝書鳩の役割を
はたしているWSJのFRB担当記者のニックがSNSで足元の金利上昇について
「0.5~1.0%の利上げに相当する」とコメントしたことから明日のFOMC
での利上げ打ち止め期待が高まり米市場は買い優勢でスタート。前週までダウが2週連続、ナスダック指数は3週連続で下げており、
値ごろ感からの買いが入りやすいところに売り方の買い戻しも加わり
指数は上げ幅を拡大。ダウは大幅高で4営業日ぶり反発、ナスダック指数は
続伸となりました。個別銘柄では、決算と同時に会社をフラッシュメモリー事業とハード
ディスク事業の2社に会社分割を行うと発表したウェスタン・デジタルが7%
超の大幅高となったほか、ナイキやゴールドマン、ベライゾン、トラベラーズ、
スリーエム、マイクロソフトなどが上昇。一方テスラは主要サプライヤーでもあるパナソニックがEVの世界的な販売減速
懸念から車載用バッテリーを減産することを発表したことから、販売低迷が
意識され▲5%弱の下落となりました。◆日銀会合、さらなる長期金利の上限幅拡大実施か
昨晩23時に日経新聞から以下のタイトルで記事が出ました。
「日銀、金利操作を再修正へ 長期金利1%超え柔軟に」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB282HC0Y3A021C2000000/
7月下旬の会合の際にも同様に日経新聞からリーク記事が出て、実際に日銀は
長期金利の変動幅の拡大を実施しました。その過去の事実があるだけにこの記事が出たことで金融引き締めに動く
との観測が強まりきのうの225先物市場では一時30390円まで下落する
場面がみられました。日銀がYCC(イールドカーブコントロール)を柔軟化する目的を改めて
おさらいします。(YCC運用の順軟化・日銀資料)
上図は7月の日銀会合で柔軟化を図った際に日銀がリリースしている資料
になります。資料の一丁目一番地にもあるように
*「2%の物価安定の目標の持続的・安定的な実現を見通せる状況には至って
おらず、粘り強く金融緩和を継続する」*「経済・物価を巡る不確実性が極めて高い中、YCCの運用を柔軟化し、金融緩和
の持続性を高める」とあるように長期金利の変動幅を拡大させることは何ら金融引き締め政策では
ありません。まだ実際にはふたを開けてみないことには分かりませんが、日経がこの記事を
出したということは過去に倣って考えると今回の日銀会合で長期金利の変動
幅を拡大させる可能性が出てきたとみています。さらに拡大させる目的についてですが、資料の右下の「経済・物価が上振れる」
可能性が高まってきており、実質金利の低下を食い止めるために行われる
ものである可能性が高いとみています。「実質金利=名目金利-将来の期待インフレ率」で計算されます。
ここで言う名目金利とは日本の10年債利回りを指します。
そして日本の実質金利は現状マイナスの状態となっています。
足元では物価上昇による期待インフレ率が上昇しているため、名目金利を
引き上げて実質金利のマイナス幅を縮小させるのが目的と思われます。実質金利のマイナス幅が縮小することによって、円の価値が上昇する
ため、足元で止まらない円安を一定程度食い止め、食料品を中心とした
値上げの影響は輸入物価の上昇が大きく起因しているため、ここに歯止め
をかけるのも目的の一つであるとみています。色々と小難しいことを書きましたが、政策金利と呼ばれる短期金利の
マイナス0.1%を動かさない限りは金融緩和姿勢を取っているとみて
良いと思いますし、資料にも記載の通り「粘り強く金融緩和を続ける」
と書かれているように緩和のスタンスはまだまだ当面継続されると
思われます。本日お昼ごろに発表がありますが、発表直後はもし仮に長期金利の
変動幅拡大が実施されるとそのインパクトからいったん下落方向に進む
可能性がありますが、早晩その動きは修正されて上昇に向かうと
みています。よって下がったところは絶好の買い場であるとみています。
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負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。