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◆パウエル議長の講演でタカ派トーンなら目先反落リスク
2023.11.09 日米相場概況 -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 32,166.48 -105.34
TOPIX 2,305.95 -26.96
グロース 689.45 -3.55
NYダウ 34,112.27 -40.33
ナスダック総合 13,650.41 +10.56
S&P500指数 4,382.78 +4.40きのうの米国市場は明日に控えるパウエル議長の講演を前に、様子見
ムードが強く、3指数は前日終値を挟んでの展開となりました。ダウは前日までの7連騰で1700ドル超の上昇を果たしており、この日は
パウエル議長の講演を前に、利益確定の売りも出て指数はマイナスに
転じる場面もみられましたが、積極的に売る動きは限定的でした。ダウは8日ぶりのマイナス、ナスダックは米長期金利が4.5%台前半
まで下落したことをきっかけに小幅上昇し、9日続伸となりました。個別銘柄ではアプライドマテリアルズやKLA、エヌビディア、ラムリサーチ
などが上昇し、半導体関連が堅調。製薬会社のイーライリリーがFDA(食品医薬品局)が2型糖尿病治療薬
「マンジャロ」を肥満症治療薬として承認したことにより大幅高。ITセキュリティのクラウドストライクは連日の年初来高値を更新と
なっています。一方で原油安を受けてシェブロンやエクソンモービルなどのエネルギー
株が軒並み安となり、ニューモントやフリーポート・マクモランなどの
資源株も下落となりました。◆パウエル議長の講演でタカ派トーンなら目先反落リスク
先週のFOMCでの追加利上げなしから雇用統計が予想よりも弱かったこと
で利上げ終了との期待が高まり、米市場は連日の上昇となっていますが、
足元ではこれ以上積極的には買われにくい展開になる可能性があります。(NYダウ・日足チャート)
(ナスダック・日足チャート)
ダウもナスダックも日足では下降トレンドを形成しており、まだベア
マーケットラリー(下落の中での上昇)を抜け出せてはいません。細かく見ると前回10月に付けた高値付近までダウもナスダックも上昇
していることから下降の流れを抜け出せそうな雰囲気はあります。ここを完全に上に抜けきって流れが変わるまでは再び反落し、このトレンド
の中に再度収斂していく可能性もあります。加えて、これは米市場だけでなく、欧州の主要指数であるドイツDAXも
同様の展開となっています。(ドイツDAX・日足チャート)
反落のきっかけとなり得るのが明日のIMF(国際通貨基金)で講演を予定
しているパウエル議長の発言です。足元で利上げ停止期待から金利が低下、株高となっていることから
「資産効果」によるインフレ再燃を警戒し、FOMCのときよりもタカ派トーンの
発言内容となれば、マーケットが楽観視しすぎたということで売り優勢の
展開となるリスクがあります。年末ラリーとして積極的なブルマーケットになるには、明日のパウエル議長
の講演、そして17日に控えるつなぎ予算の期限を無事クリアすることが重要です。逆にこれらを無事通過することが出来れば、年末高の展開も十分にあり得ますし、
当然日本株もその恩恵を受ける形で時間は短いですが、7月に付けた高値を
ターゲットに上昇していく可能性が高まるものとみています。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。