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◆相場は次の材料探しで目先一進一退か
2023.11.17 マーケットニュース -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 33,424.41 -95.29
TOPIX 2,368.62 -4.60
グロース 691.14 -0.60
NYダウ 34,945.47 -45.74
ナスダック総合 14,113.67 +9.84
S&P500指数 4,508.24 +5.36きのうの米国市場は一部の失望決算で軟調な展開となるも金利の低下が
相場を下支えしました。ダウ銘柄でネットワーク機器のシスコシステムズと、同じくダウ銘柄で小売り
大手のウォルマートが決算を発表。両決算とも実績は良かったものの、先行き見通しに失望感が広がりともに
大幅安で始まりセンチメントを悪化させる展開となりました。加えて原油安によりエネルギー関連のシェブロンが売られたことも相場の重石
となりダウはマイナス圏での推移しました。ただこの日発表された週間の新規失業保険申請件数が予想以上に増加し、雇用
需給の緩和を示したたことから米長期金利が4.4%台へ低下したことを好感して
ハイテク株には買いが入り株式相場を下支えし、バッドニュースが市場では
グッドニュースとなる向きは継続しています。ダウは5日ぶりに反落したものの下値は堅く下げ幅を縮小。
ナスダックも下げ渋り、引けにかけて小幅ですがプラス圏に浮上し、3日続伸となりました。個別銘柄では、長期金利の低下を好感してアップルやエヌビディア、グーグル
などの主力ハイテク株が上昇し、マイクロソフトは3日続伸で上場来高値を更新。アナリストが投資判断と目標株価を引き上げたインテルが6%超の大幅高となり
ダウ採用銘柄でトップの上昇率となっています。一方、シスコシステムズが▲10%、ウォルマートが▲8%と大幅安となった
ことでこの2銘柄でダウを125ドル程度押し下げました。また原油が急落し、シェブロンやコノコフィリップスなどのエネルギー株が
軒並み安となりました。◆相場は次の材料探しで目先一進一退か
今月頭のFOMCで利上げ見送り後、今週の10月の米CPI、PPIもインフレ鈍化という
結果で無事通過し、懸念材料であったつなぎ予算案も決着がつき政府閉鎖を
回避することができました。逆を言えば一気に材料を消化してしまっただけにマーケットは次上へ行くのか
下へ行くのかの材料を探すようなタイミングに入ったと思われます。目先は重要視されやすいイベントが少なく、今月末のFRBがインフレ指標として
注目するPCEデフレーターの発表までは中東情勢、ロシアウクライナの地政学
リスクが高まらない限りは下へ動く向きも少なく一進一退で動くのではないかと
みています。そして月末のPCEも無事通過すれば、ことし最後の12月のFOMCでも利上げ見送り
の可能性が高まりますので12月に入ってからもう一段高していく流れになると
みています。足元で原油価格が中東情勢の緊張が続く割には下落が目立っていますので、PCE
もインフレ鈍化の結果が得られる可能性が高いとみています。※本日の経済キーワード※
【PCEデフレーター(個人消費支出)】
米商務省が公表する、米国の家計が消費した、財やサービスを
集計した指標。名目PCEを実質PCEで割ったPCEデフレーターの中でも、価格変動の
大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターはFRBが
インフレ指標として重要視している。CPI(消費者物価指数)とPCEコアデフレーターの違いはCPIは棚卸し
されている実際の商品の物価で測るものに対して、PCEデフレーターは
「実際に消費者が購入したモノ」の価格で測られるという違いがある。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。