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◆FRBメンバーの意見に呼応する米長期金利
2023.11.29 日米相場概況 -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 33,408.39 -39.28
TOPIX 2,376.71 -5.05
グロース 711.12 -1.71
NYダウ 35,416.98 +83.51
ナスダック総合 14,281.76 +40.73
S&P500指数 4,554.89 +4.46きのうの米国市場は3指数揃って前日終値を挟んでの展開となりました。
きのうはFRBのウォラー理事が講演で、「現在の金利水準が適切な状態
にあるとの確信を強めている、またインフレ率の低下が続けば政策金利を
引き下げる根拠は十分にある」との考えを示唆。これを受けて4.4%台半ばにあった米長期金利が4.3%前半まで下落した
ことや、11月の米消費者信頼感指数が市場予想101.0に対して、102.0と
高金利の中、安定していることも支援材料となり主要指数は反発。(米消費者信頼感指数とS&P500の推移)
ダウは一時185ドル高の35518ドルまで上伸し年初来高値に接近しましたが、
FRBのボウマン理事が追加利げの必要性に言及したことや、短期的な上昇による
過熱感もあり、積極的な上値追いは控えられました。個別銘柄では、コロナ禍で注目を浴びた後払い決済サービスのアファームが
11%高と急伸。今年の感謝祭からサイバーマンデーまでの5日間のオンライン消費支出が
予想以上の伸びで過去最高を記録したと伝わったことが支援材料となり、
電子決済サービスのペイパルも大幅高。アナリストが投資判断と目標株価を引き上げた航空機のボーイングも上昇し
ダウ指数をけん引。また金利低下、インフレ、地政学リスク等の複合的な要因から金価格が最高値
に接近し、ニューモントやバリックゴールドなどの金関連銘柄も大幅高と
なっています。一方、先行き見通しを上方修正したものの物足りないとの見方から半導体の
マイクロン・テクノロジーが下落し、エヌビディアも軟調となりました。◆FRBメンバーの意見に呼応する米長期金利
ことし最後のFOMCは来月12、13日になります。
その前の2週間はブラックアウト期間と言って、中央銀行のメンバーが金融
政策決定前の一定期間に金融政策に関する情報を外部にコメントすることが
禁止されます。今回は今週金曜日まで言及出来る時期となりますが、FRBのウォラー理事は
金利水準は適切とコメント、一方でボウマン理事は追加利上げの可能性を
残していることからまだFOMCメンバーの中でも意見が分かれている状況です。最終的には米景気が後退し、消費が鈍化していく中でインフレも一段と
落ち着いてくるとみており、いまの政策金利をどの程度持続させるか
というところが今後のFRBの舵取りとなってくるとみています。しかし足元の景気はまだ強い状況で金利水準に対して意見が分かれやすく、
FOMCメンバーの発言で金利はもうしばらく乱高下する時間帯が続く
とみています。そのため、マーケットでもこの部分がまだはっきりとしていないため
積極的に上を買いに行くことが出来ない状況にあり、ハト派発言で
金利低下=株高、タカ派発言で金利上昇=株安となりやすく、金利以外の
横槍的な材料が出てこない限りはしばらく上にも下にも動きにくい
もどかしい相場状況が続くと思われます。※本日の経済キーワード※
【コンファレンスボード消費者信頼感指数】
コンファレンスボード消費者信頼感指数は、米国の民間調査機関である
コンファレンスボード(全米産業審議委員会)が毎月発表する経済指標。5,000世帯の消費者を対象に、現在の景気・雇用情勢や6ヵ月後の
景気・雇用情勢・家計所得の見通しについてアンケート調査し、
1985年を100として指数化したものです。コンファレンスボード消費者信頼感指数は、ミシガン大学消費者信頼感
指数とともに、経済活動全体に重要な役割を果たす個人消費に関する
重要指標。GDPに占める個人消費の比率が約7割ともいわれている米国では景気の
先行きを把握する上で、消費者信頼感指数が参考指標の1つとなります。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。