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◆米市場反落で日本株も右に倣えとは限らない
2023.12.21 マーケットニュース -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 33,675.94 +456.55
TOPIX 2,349.38 +15.57
グロース 688.17 +1.57
NYダウ 37,082.00 -475.92
ナスダック総合 14,777.94 -225.28
S&P500指数 4,698.35 -70.02きのうの米国市場はこれまでの連日の上昇から年末ということも
重なって利益確定売りに押され3指数揃って大幅反落となりました。ダウは前日までで9連騰しており、1500ドル超の上昇を果たして
連日で過去最高値を更新してきたことから取引中盤から下げに転じ始めると
利益の確定の売りや持ち高調整の売りが重なり、下げ幅を拡大。これに伴いナスダック、S&P500も下げが加速し3指数とも反落し、取引終了
時間まで下げ続ける展開となりました。米長期金利はきのう発表された11月の好調な中古住宅販売件数や、コンファレンス
ボード(消費者信頼感指数)が強かったことで3.8%台にまで低下した
ものの株価の支えとはならず、需給的に買い方が勢いを増していたことも
あって、調整を迎える形となりました。個別銘柄では、カナダのスポーツ衣料品大手、ルルレモンが第4四半期(11-1月期)
の業績見通しを発表しましたが、市場予想を下回ったことから関連銘柄として
アパレルのGAP、百貨店大手のコールズなどが下落。またウォルトディズニーやクレジットカードのアメックス、コカ・コーラなど
消費関連も弱含む展開となりました。アマゾン、マイクロソフト、アップルなど主要ハイテク株やエヌビディアや
アプライドマテリアルズ、AMD、KLA、ASML、TSMCなど半導体関連も揃って
利益確定売りに押される動きが目立ちました。なお、引け後に決算発表を控えた半導体のマイクロン・テクノロジーは▲4%
の下げで取引を終えましたが、引け後に発表した決算では売上、利益ともに
市場予想を上回ったことから時間外取引では買い優勢の展開となっています。◆米市場反落で日本株も右に倣えとは限らない
きのうの米国市場はダウが9連騰し、5日連続で史上最高値を更新していたこと
もあって、利益確定売りに押される1日となりました。ただ米市場が下がったからと言っても、日本株の上下動の感応度の高い為替
相場ではドル円が143円台半ばで推移しており、為替を巻き込んだ下げには
なっておらず、あくまでも需給面で買いが膨らみ過ぎたゆえの売りが出ただけ
であり、米市場下落=日本株連れ安となるかはまだ分かりません。(日経平均株価・日足チャート)
仮に下げたとして目先の下値目処をお伝えしておくと日経平均株価で言えば、
33000円を瞬間割り込んだあたりが、前回の高値、安値のサポート&レジスタンスとして
意識されており、下がってもこのあたりまでになるかとみています。加えて日銀イベントがあった日本市場はそれだけでも米市場に比べて出遅れる
要因となっており、さらに言えば足元の日経平均株価のEPS(1株利益)は
中間決算が出揃った11月半ばの2,257.22円からきのう20日時点で2,290.88円と
上昇してきており、株価がこの2日で急騰しましたが、割高感はありません。(日銀短観・業況判断指数)
加えてお伝えをするならば、今月13日に公表された日銀短観では上場企業が
含まれる大企業、中堅企業の製造業、非製造業ともに業況が改善しており、(23年度の想定為替レート)
想定為替レートもドル円が139.35円、ユーロ円が148.80円と実勢レートと比較
してもまだまだ円安水準で輸出関連企業を中心に為替差益が乗る水準で推移
しています。よって下期は再度上方修正を発表してくる企業が出てくることでEPSが上昇し、
割安感が高まることにつながります。むしろ目先はより高値を更新する確度が高まり、逆を言えば下がったところは
より高値更新までの値幅の取れる絶好の買い場になるとみています。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。