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◆雇用統計控え様子見、強ければ米株安も
2024.01.05 マーケットニュース -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 33,288.29 -175.88
TOPIX 2,378.79 +12.40
グロース 712.73 +6.32
NYダウ 37,440.34 +10.15
ナスダック総合 14,510.30 -81.91
S&P500指数 4,688.68 -16.13きのうの米国市場は金利が上昇したことから上値の重い展開でダウは
小幅上昇、ナスダックは続落する展開となりました。朝方ADPから公表された雇用報告では、予想11.5万人に対して、16.4万人と
増加。また12月30日の週の新規失業保険申請件数も予想21.6万件に対して
20.2万件と10月以来の低水準まで減少していることから労働環境の強さが
示されました。これを受けて早期の利下げ期待がやや後退し、金利が上昇したことから
金利に敏感なハイテク株を中心に利益確定売りが目立ち、ナスダックは
これで5日続落となりました。個別銘柄では医薬品のメルクが肥満治療薬の開発に乗り出すとの報道が材料視
されて9日続伸し大幅高となっているほか、前日売られていた百貨店のノルド
ストリームや1ドルショップのダラーゼネラルなど小売業の一角が反発。同じく足元下落していたエヌビディアや英半導体設計のアームなど半導体
関連の一角も反発となりました。一方で、決算を発表し売上利益ともに市場予想を上回ったドラッグストア大手
のウォルグリーンブーツアライアンスは現金節約のため配当をこれまでの
約半分に減配することを発表し、これが嫌気され一時▲10%の下落となり
ダウ指数を押し下げました。その他アマゾンやアップル、グーグルなどハイテク株下が下げたほか、
KLAやTSMC、アプライドマテリアルズなど半導体も下落しナスダックの
重石となりました。◆雇用統計控え様子見、強ければ米株安も
民間の給与支払い代行サービスのADPが発表した12月の雇用報告では上述の
通り予想を上回る強さが見られ、今晩は労働省発表の雇用統計が発表
されます。予想では非農業部門雇用者数が17.5万人、失業率は3.7%→3.8%へ0.1ポイント
増加する見通しとなっています。しかし、ADPによると昨年12月に企業の採用活動は活発化し、製造業は
減少しているものの、特に娯楽・ホスピタリティーや教育・医療サービス
といったサービスセクターで増加が見られたと発表。今晩発表される雇用統計でも予想を上回る結果となることも考えられます。
仮に予想を上回る雇用者数や失業率の減少となれば、これまで早期利下げ
期待が前のめりになって株価を押し上げてきただけに、冷や水を浴びせる
こととなる可能性があります。パウエルFRB議長も利上げの終着点にきた可能性があるとは明言している
ものの、利下げに関してはいつから、どれくらいのペースでというような
具体的な言及はしていません。さらにことし最初のFOMCは1月末に予定されており、ブラックアウト期間
までまだ時間もあることからFRB高官らからタカ派の発言も出てくること
も考えられ、相場のかく乱要因となる可能性もあります。日本株においては金利が上昇することで日米金利差が再び開いてドル高
円安の支援材料となってくれますが、米市場が崩れればそれに引っ張られる
形で株価も下落しやすい環境は変わりません。ただ、昨年のようにいつまで利上げが行われるか分からないという状況は
終わりましたので、金利がどんどん上昇することはなく、一進一退を
繰り返しながら徐々に下がっていくものとみており、昨年よりお伝え
しているように金利が弱含む中ではグロース市場銘柄に物色の矛先が
向かいやすいものと思われます。昨年は特に日経平均株価やTOPIXに大きく劣後した形となっただけに
グロース市場復活の年になるとみています。※本日の経済キーワード※
【ブラックアウト期間】
ブラックアウト期間とは中央銀行のメンバーが金融政策の決定前の一定期間、
金融政策に関するコメントを外部に対して行うことを禁ずるルールです。ブラックアウト期間は、各中央銀行ごとに定められており、その期間に入ると
メンバーから金融政策に関するコメントが出なくなります。FRB(米連邦準備制度理事会)の関係者が金融政策に関して踏み込んだ発言を
してはならない期間はFOMCが開催される前々週の土曜日からFOMC終了までと
なっています。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。