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◆日経平均株価の史上最高値更新はあくまでも通過点
2024.02.20 日米相場概況 -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 38,470.38 -16.86
TOPIX 2,639.69 +14.96
グロース 765.49 +12.24
NYダウ 休場
ナスダック総合 休場
S&P500指数 休場週明けの米国市場はプレジデンツデーの祝日のため、休場でした。
代わりに欧州市場の結果をお伝えすると英国、フランスは小幅上昇、
ドイツDAXは小幅下落と米市場が休場ということもあって前日終値を
挟んでの小動きでした。きのうの日経平均株価は、16円安の38470円、グロース250指数は前日から
12ポイント高の765ポイントでした。先週末の米市場はインフレ再燃の警戒感から米長期金利が4.3%まで上昇した
ことが株価の重石となり、ダウは145ドル安の38,627.99、ナスダックは130
ポイント安の15,775.65ポイントで週末を終えて、きのうの祝日3連休を
迎えています。先週末の米市場が下落したことを受けて日本株、特に日経平均株価は半導体
関連を中心に利益確定売りが目立ち、朝方から売りが先行。先週金曜日には日経平均株価の上げ幅は一時700円を越えて38865円まで上昇し、
1989年12月に付けた史上最高値38915円まであと50円に迫るところまで上昇
したことを受けて、短期急騰の過熱感もあり、利益確定売りが出やすい1日
となりました。一方でこれまで日経平均株価を先導してきた主力半導体のレーザーテック、
東京エレクトロン、アドバンテスト、SCREENホールディングス、信越化学
工業に利益確定売りが出た分、出遅れている中小型株への資金シフトが
起こる循環物色の色彩が濃くなりつつあります。◆日経平均株価の史上最高値更新はあくまでも通過点
目先の注目は21日のエヌビディアの決算発表です。
直近1年間のエヌビディアの株価は200ドルから足元726ドルと3倍以上の
大幅高となり、グーグル、そしてアマゾンの時価総額を抜きついに米国株
時価総額ランキング3位にまで上りました。(米国の時価総額ランキングトップ10)
企業価値が上がるということはそれだけ市場で評価されている一方で、
期待値が先行して買われ過ぎているという側面も出てきます。(エヌビディアの株価とPER)
実際にエヌビディアの株価とPERを見ると、3倍以上に株価が上昇
した分、PERはなんと400倍を超える水準となっています。PER400倍というのは、日本の新規IPOする銘柄でもほとんど聞かない
PER水準です。エヌビディアのように生成AI特需が向こう数年間続くという見通しで
利益が増大する企業は単年スポットの1株利益で計算されるPERは
ほとんど役に立たず、400倍だから割高と判断するのは難しいですが、
このPER400倍に見合った将来の業績成長ストーリーを今後の決算や、
見通しで示すことが出来なければ、失望売りとなる可能性には注意が
必要です。エヌビディアの決算で失望となれば、日本の主力半導体関連も一時的に
利益確定売りが出やすくなり、日経平均株価の重石となる可能性が
ありますが、その分他の出遅れ銘柄への資金シフトがさらに増大して
くるものとみています。また21日、国内で1月の訪日外国人客数と貿易統計(速報値)が発表されます。
(訪日外国人客数推移)
ちなみに昨年12月の訪日外国人客数は2,734,000人とコロナ前と比肩する
レベルまで著しく回復してきています。つまり、半導体だけに生成AI特需が起こっているわけではなく、訪日客
が日本に来てお金を落としてくれれば内需も潤います。さらに貿易統計をご紹介します。
(貿易統計と日経平均株価の推移【YoY%】)
上図は米国、中国、欧州、アジアへの対輸出の前年同月比と日経平均株価を
比較したものですが、ご周知の通り日本の主要銘柄の多くが海外にモノを
売って収益を上げており、外需の伸びが企業業績の羅針盤となります。足元ではリセッション(景気後退)と言われていた中国が11月▲2.2%、
そして12月は+9.6%とプラスに転じてきました。対米輸出もマイナスにはならなかったものの利上げの影響もあって足元では
輸出が伸び悩んでいましたが、11月+5.3%から12月は+20.4%と大幅な
伸びとなりました。(貿易統計と日経平均株価(実数)の推移)
注目は2013年、2016年と米中の輸出が伸びるときに日経平均のパフォーマンス
は良好になるという点です。実数ベースで見てもそれは明らかです。
ちょうど足元では日本の2トップの貿易相手国である対米中の輸出が伸び始めた
ばかりであり、半導体需要、インバウンド内需、そしてこの外需の回復スタート、
加えて言えば円安、東証による資本コスト改革の提言と日本株が上昇する
要因が過去類を見ないほど揃っている状況です。そのため、バブル期の高値38915円を越えてくるのは時間の問題であり、むしろ
そこがゴールではなく、あくまでも通過点となり、年末には日経平均株価は
42000円~45000円あたりまで上昇しても何ら不思議ではありません。下押しする場面があれば、喜び勇んで買う場面と捉えてもらって良いと思います。
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。