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◆1月のPCE鈍化受けて6月利下げ確率上昇
2024.03.01 マーケットニュース -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 39,166.19 -41.84
TOPIX 2,675.73 +0.78
グロース 772.39 -7.32
NYダウ 38,996.39 +47.37
ナスダック総合 16,091.92 +144.18
S&P500指数 5,096.27 +26.51きのうの米国市場は1月のPCE(個人消費支出)のインフレ改善継続の結果を受けて、
上昇、一時金利が上昇し下げる場面もありましたが、取引終了にかけて再び
上げ幅を拡大する展開となりました。FRBがインフレ指標として毎回注目しているPCEが取引開始前に発表され、
結果は前年同月比で2.4%と予想と同じ結果で前月の2.6%からも伸びが鈍化。食品とエネルギーを除くPCEコアも同様に2.8%と予想と一致し、こちらも
前月の2.9%から鈍化する結果となり、約3年ぶりの低い伸びとなったことで
インフレへの警戒感が和らぎ、金利が低下するとともにハイテク株中心に
買われる動きが見られました。その後、1月中古住宅販売仮契約が予想外に落ち込んだことでダウは下落。
一方で政府閉鎖のリスクがあった、短期のつなぎ予算が下院で可決されると当面の
政府閉鎖懸念が払しょくされ下げ幅を縮小。ハイテクは長期金利の低下を好感し、終日堅調に推移し相場を支え終盤にかけて
上げ幅を拡大しダウもプラスに切り返しました。ナスダック指数は終値ベースの過去最高値(16057ポイント)を更新。
S&P500、SOX(半導体株指数)もそれぞれ過去最高値を更新しました。個別銘柄では、引き続き半導体関連がけん引役となっており、AMDが9%の
上昇、次いで半導体設計のアームも5%超の上昇となり、エヌビディアや
アプライドマテリアルズ、ラムリサーチなども堅調でした。また、配当実施と自社株買いを発表した顧客情報管理のセールスフォースが
3%の上昇で最高値を更新し、ダウ指数を押し上げ、新たにダウ指数に採用された
アマゾンも堅調でした。住宅指標が弱い中、DRホートン、ホームデポ、レナーなど関連銘柄はプラスで
推移しています。一方でモデルナやバイオジェン、ファイザー、アストラゼネカなど医薬品関係が
下落となり、ダウ採用銘柄では航空機のボーイングやP&G、ウォルマート、
ゴールドマンサックスなども下落しています。◆1月のPCE鈍化受けて6月利下げ確率上昇
今回のPCEの結果では、警戒していた予想を上振れすることなく、予想と
一致し、総合指数もコア指数もともに前年同月比で前月から伸びが鈍化する
結果となりました。個人的には上振れた場合のリスクを考えて、やや持ち高を調整していましたが、
その必要はなかった格好です。ただ、もし予想を上振れしていた場合は最高値を更新し、信用買い残も膨らんで
いることから、大きなショック安になった可能性があるため、間違った選択では
ないと考えています。よくあるのが目に見えている、市場が注目しているものではないところでネガティブ
材料が出てきて、一気にセンチメントが冷え込むという展開です(銀行破たんや
中国大手不動産の破たん等)さて、ことしの市場が織り込むりさげの回数見通しは当初の6回から4回へと減って
きました。一方で、利下げの時期として市場が考えている6月りさげの確率は今回のPCEの結果
を受けて、小幅に上昇しています。(市場が織り込む金利見通し)
FRBはことしのPCEの見通しを前年比で2.4%としており、今回の結果で総合指数は
これに到達したことになります。(昨年12月のFOMCでの経済見通し)
よって、6月からの利下げの可能性は高まったものと思われます。
仮に6月から利下げとなると、FRBはことし年3回の利下げを予定(昨年12月時点)して
いますので、6月、9月、12月と四半期ごとで実施してくることになるとみています。パウエルFRB議長はこれまでも再三にわたり「データ次第」という言葉を連呼している
だけに、会合ごとに連続利下げというのは、リセッションに陥るようなリスクが台頭
したとき以外はないとみています。日経平均株価はきのうの米市場、特にナスダックは再び半導体関連が上昇のけん引役と
なり、約2年3か月ぶりに過去最高値を更新したこともあって、重要イベント通過の安心感
も重なって主力半導体関連を中心に買い直される動きが出てくると思われます。このところ半導体の一角が上昇一服し、その分他の出遅れていた銘柄やグロース市場に
資金が向かうといった循環物色の動きが出てきていましたので、本日はまた半導体、
そして次に出遅れ銘柄と往来する展開になってくると中身の伴った上昇となってきます。3月はアノマリー的に機関投資家のポジションのリバランスの時期に入りますので、
株式、特に225採用銘柄やJPX400などに組み入れられている時価総額も流動性も大きい
銘柄はやや売られやすくなる傾向にあります。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。