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◆CPI鈍化で利下げ期待高まるも油断できず
2024.05.16 日米相場概況 -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 38,385.73 +29.67
TOPIX 2,730.88 -0.07
グロース 643.52 -15.74
NYダウ 39,908.00 +349.89
ナスダック総合 16,742.39 +231.21
S&P500指数 5,308.15 +61.47きのうの米国市場はインフレ鈍化期待から金利が低下、株高の動きで3指数
揃って続伸となりました。注目された4月の米CPI(消費者物価指数)の結果は以下。
・米・4月消費者物価指数:前月比+0.3%(予想:+0.4%、3月:+0.4%)
・米・4月消費者物価指数:前年比+3.4%(予想:+3.4%、3月:+3.5%)
・米・4月消費者物価コア指数:前月比+0.3%(予想:+0.3%、3月:+0.4%)
・米・4月消費者物価コア指数:前年比+3.6%(予想:+3.6%、3月:+3.8%)
と、総合も価格変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数も前月から小幅に
減速したことから利下げ期待が再燃。これを受けて、米長期金利が4月上旬以来約1か月ぶりの低い水準になったことが
追い風となりリスクオンの動きが強まり、ナスダックは連日で過去最高値を更新。ダウとS&P500も約1か月ぶりの高値更新となりました。
また、きのうは同時に4月の米小売売上高も発表され前月比で+0.4%の予想に
対し、0.0%の伸びとなり、3月の+0.6%から予想以上に鈍化し、インフレと
金利上昇による消費の落ち込みが浮き彫りとなりました。個別銘柄では、足元で大幅高から調整入りしていたビットコインがきのう7%超
の上昇で、66000ドルを越える大幅高となったことを受けてビットコインを資産
目的で保有するマイクロストラテジーが15%超の大幅高となったほか、マラソン
デジタルやCLSK、RIOTなどマイニング業者の株価が上昇となりました。データセンターなどを手掛けるスーパーマイクロコンピューターも
16%弱の上昇、DRホートンやレナーなど、住宅や建設関連銘柄が金利金利低下
を好材料に軒並み高となりました。その他、AMDやエヌビディア、ブロードコム、KLAやアプライド・マテリアルズ
など半導体関連株も上昇し、SOX(半導体指数)は2.8%の大幅高となっています。◆CPI鈍化で利下げ期待高まるも油断できず
今回の4月の米CPIでは総合もコアも前回3月の結果から揃って伸びが鈍化する結果
となりましたが、項目別に見たのが以下になります。(項目別の前年同月比)
まずポイントとなるのはエネルギーと電気が足元で上昇してきていることです。
中東情勢で衝突が始まった3月から4月にかけて原油価格が上昇してきておりその
影響が見え始めてきています。何度かお伝えしているように油価の上昇の影響が物価に与える影響には2,3か月の
タイムラグがありますので、来月以降のCPIでさらに上昇する可能性があるのには
警戒が必要です。その影響もあって衣類の物価も上昇してきていると思われます。
続いて粘着性の高い(一度上昇したらなかなか下がりにくい)サービス価格において
はほぼ横ばいであり、医療サービスに至っては上昇してきています。さらに言えば、食品とエネルギーを除くコア指数は前月から0.2ポイント低下となって
いますが、項目を見ると食品は2.2%の横ばい、エネルギーはむしろ2.1%から2.6%と
上昇しているため、米労働省がどのような計算を基に算出しているのか、深く調べる
必要がありますが、本当に下がったのかデータ自体に疑問も残る結果であるとみてます。
(上がる結果となっても不思議じゃない数字)よって、内容を細かく見るとこれでFRBが年2回の利下げをしてくれるか、まだ油断
できない数字であるというのが個人的な見解です。日本株も本日はCPI鈍化、利下げ期待祭りで上昇してくれることでしょう。
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。