-
◆資金の逃避先だった日本株の優位性弱まる
2024.05.29 マーケットニュース -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 38,855.37 -44.65
TOPIX 2,768.50 +2.14
グロース 619.06 +5.52
NYダウ 38,852.86 -216.73
ナスダック総合 17,019.88 +99.09
S&P500指数 5,306.04 +1.32週明けの米国市場は追加利上げの可能性が払しょくされていないことから
景気敏感株が売られダウは下落、一方でナスダックは半導体関連がけん引し
上昇しました。この日、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、ロンドンでのイベントに
登壇し、「利上げを実施する確率はかなり低いが、選択肢からは排除した
わけではない」との考えを示しました。この影響もあってか、米長期金利が4.5%台まで上昇し、景気敏感株の
多い、オールドファッションで構成されるダウ平均は200ドル超の下落、
一方で、AIへの投資需要の期待から半導体関連が買われ、ナスダックは
初の17000ポイントに乗せ連日で過去最高値を更新しました。個別銘柄では、英半導体設計のアームが9%弱の上昇を始め、先日好決算と
増配を発表したエヌビディアも7%の上昇、その他オランダのASMLやAMD、
マイクロンテクノロジーなどの半導体関連が上昇。その他、足元で原油価格が上昇してきており、1バレル80ドル台に乗せた
ことを背景にシェブロンやエクソンモービルなどのエネルギー関連も買われ
ています。◆資金の逃避先だった日本株の優位性弱まる
きのうの米市場はナスダックが連日で最高値を更新する一方で、日本株は
それに劣後する展開が新年度に入ってから続いています。特に昨年後半からことしの3月あたりまではその逆で米市場よりも日本株が
高パフォーマンスとなっていましたが、今はその逆となっています。いずれ再び日本株への資金流入は起こると思いますが、足元では、その
優位性がなくなってきているとみています。それは米市場の連日の最高値更新もありますが、もう一つが中国株の底打ちです。
(香港ハンセン指数・週足チャート)
香港ハンセン指数は21年の2月高値からことしの2月まで延々と下げ続ける
展開となっていましたが、その下落トレンドが終焉を迎え、反発に転じる動きが
見え始めてきています。海外勢の中には日本株から中国株へのエクスポージャー(投資割合)を引き上げる
ところなども出始めており、資金が米中市場へと分散されやすく、その分日本株
への流入が少なくなれば、ことしの3月までの飛ぶ鳥を落とす勢いのあったときの
ような動きは当面期待できないということになります。当面は個別の材料やテーマを持っているような銘柄でないと買いが継続しづらく、
早くても8月、9月あたりまで日柄調整をしていかないことには上値の重い展開
が続くとみています。※本日の経済キーワード※
【日柄調整】
大きく上昇した株価が次の上昇相場へ向かうためのいったんの時間的な
調整を迎える局面。株価がしばらく横ばい(レンジ)で推移したり、チャートではフラッグを
作りに行くことが多く、その期間のこと━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆マナカブ公式ブログ
https://manakabu.com/news/◆Twitter
https://twitter.com/manakabu◆Facebook
https://www.facebook.com/manakabucom━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
-
【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。