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◆利下げ回数の下方修正後のパウエル議長の会見に注目
2024.06.12 日米相場概況 -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
【相場概況】
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 39,134.79 +96.63
TOPIX 2,776.80 -5.69
グロース 631.49 +5.71
NYダウ 38,747.42 -120.62
ナスダック総合 17,343.84 +151.31
S&P500指数 5,375.32 +14.53きのうの米国市場はダウが反落、ナスダックは続伸となりました。
今晩に控える5月の米CPI(消費者物価指数)とFOMCの結果および四半期
レポートの公表、パウエルFRB議長の記者会見を前に持ち高調整の動きが強まり、
朝方は揃ってマイナスでのスタートとなりました。ダウは一時400ドル以上下げ幅を拡大しましたが、アップルが徐々に上げ幅を
拡大するとともに下げ幅を縮小。ナスダックとS&P500はプラスに転じ、そろって連日で最高値を更新しています。
個別銘柄では、アップルが前日のイベントで次期基本ソフト(OS)に生成人工知能
(AI)の機能を盛り込むことを発表し、新型iPhoneの買い替えを促すとの
見方から一部のアナリストから投資判断と目標株価を引き上げる動きが見られ、
買いが膨らみ7%超の大幅高で約半年ぶりに上場来高値を更新。その他、英半導体アームやアパレルのGAPが買われたほか、ITセキュリティの
クラウドストライクが今月初旬に発表した好決算を契機に上昇が続いており、
史上最高値を更新。その一方でFOMCを前にシティ、JPモルガン、バンカメなど金融株は下落。
クレジットカードのアメックスも下げました。◆利下げ回数の下方修正後のパウエル議長の会見に注目
今晩、5月のCPIの発表後、日本時間未明にFOMCがあります。
先日もお伝えしたように高い確率でFRBはことし年3回の利下げを目標にして
いましたが、年2回、または1回の利下げへと修正してくるとみています。この見通しについてはある程度市場でも織り込まれているとされていますが、
その後の米長期金利が急上昇するようなことになれば、株式市場にはアゲインスト
となります。その一方で、政策金利、レポート公表後のパウエルFRB議長の会見に注目が
集まります。市場に動揺、混乱を招きたくないとする意思があれば、「次の一手は利下げの
方向性は変わらず」と言ったような表現で会見は終始すると思われます。その一方で、「想定以上にインフレの鎮静化には時間がかかり、利上げも
まだ選択肢からまだ外せない」と言ったようなタカ派の発言が出れば、
市場に動揺が走り、金利上昇株安の動きが強まると思われます。パウエル議長自体はFOMCメンバーの中でもタカ派寄りでもハト派寄りでも
なく、中立からややハト派的な人ではあるので、前者の意向が強いとは
みていますが、足元の労働市場の強さ、インフレの粘着性を考えると
正直どちらの意見になるかは分かりません。今回のイベントで乱高下が生じ、日本市場にも少なからず影響が出るかも
しれませんが、資金管理を守ってルール通り取り組んでもらえればイベント
前だからと言って、持ち高調整をする必要などもありません。1に資金管理、2に資金管理、すべてはこの資金管理にあります。
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。