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◆FAANGの反撃はあるのか?

2018.11.20

こんばんは、株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

きのうの米国株が大幅安となったことを受けて、本日の日本株もその煽りを受けて、下落する展開となりました。

ダウは▲395ドル(▲1.56%)の25017ドルと25000ドルを一時割り込む場面もありましたが、終値ではかろうじて耐えました。

S&P500も▲45.5ポイント(▲1.66%)の2690、ナスダックに関しては▲219ポイント(▲3.03%)の7028と明らかにナスダックに分が悪い展開となりました。

この背景にあるのは、アップルの新製品iPhoneXRの増産停止によるものです。

先日、レーザーセンサーメーカーのルメンタムHDが「大口顧客の一つから供給の大幅削減を要請された」として四半期業績見通しを下方修正、顧客名は明らかにはされませんでしたが、ルメンタムHDの取引先最大手の一つがアップルだったことからこの懸念が台頭し、下落となりました。

 

これはルメンタムHDに限った話ではなく、アップルに部品を供給しているサプライヤー、組み立て工場の多くに影響が出ています。

ルメンタムHD(LITE)が年初来で▲21.36%、有機ELに使われる世界最大手の燐光材料メーカーのユニバーサルディスプレイ(OLED)が▲49.7%、同じく有機EL、液晶パネルを提供するサムスン電子(005930KS)も▲16.11%、

スマートフォン向けなどワイヤレス通信機能を搭載した製品を幅広くサポートする無線周波数(RF)チップなどの製品を開発するスカイワークスソリューションズ(SWKS)が▲28.1%、

iPhone向けに半導体プロセッサー(MPU)を供給する半導体受託生産大手の台湾のTSMC(2330TT)が▲6.2%、

アップルの組み立てを受託するホンハイ(2317TT)が▲40.2%、同じくペガトロン(4938TT)が▲28.43%とアップル関連銘柄はアップル以上に年初来パフォーマンスがマイナスと惨憺たる結果となっています。

 

 

◆半導体関連も同じ穴の貉

そしてこれはアップルのサプライヤーだけにとどまらず、ハイテク株の多いナスダックの下げを助長しているのが半導体の成長鈍化懸念です。

中でも年初来のジェットコースターの値動きになっているのがGPU(画像処理用半導体)を手掛けるエヌビディア(NVDA)です。

ことし10/1には年初来で40%以上の高パフォーマンスを上げた同社はもともとゲーム向けのチップがメインでしたが、その性能の高さから最近では仮想通貨ブームに乗ってマイニングにもGPUが使われるようになっていました。

しかし、先日発表した8-11月期決算では市場予想に届かなかったことに加え、11-翌1月期の売上見通しが前期比で減収となることを公表しました。

これが嫌気され、年初来+40%アウトパフォームしていた株価は足元では▲27.4%のアンダーパフォームと急転直下する展開となっています。

 

足元ではスマホの買い替え需要が伸び悩んでおり、ちょっとやそっとの新機能ではユーザーの反応が鈍くなっていることや、高速大容量移動体通信(5G)、自動運転、AIの普及などで将来的には半導体メーカーにとって大きな需要を内包していますが、供給はできるけれども、供給先の多くが今は研究開発の段階で、需要がさほどないのが現状です。

 

 

◆グローバルPMIと半導体関連株の値動きはほぼ一致

 

JPモルガンのグローバルPMIと見比べてもその動きと半導体関連株の動きがほぼ一致しています。

 

2016年あたりはまさに半導体ブームでした。日本の半導体関連の信越化学工業、SUMCO、東京エレクトロン、アドバンテストなどこのときは半導体関連をとにかく買えば儲かるというような時期でした。

 

第4次産業革命の訪れとともに「半導体需要が高まる」という大きな期待が株価を押し上げたわけです。

しかし、上図のPMIをみても2018年に入ってから頭打ちとなり緩やかではありますが、右肩下がりとなってきています。

 

 

そして値下がりしているのはアップルやアップルサプライヤーだけではなく、これまで米国株をけん引してきたFAANG(フェイスブック、アップル、アマゾン、ネットフリックス、グーグル)と呼ばれる高成長銘柄もその煽りを受けています。

 

その多くは決算が市場の期待に応えられなかったということで売り込まれているわけですが、高成長企業の多くが高PERとなっており、業績モメンタムの鈍化は株価下落に直結してきます。

フェイスブックは情報流出問題や群雄割拠する他社SNSの隆盛によりアクティブユーザー数の減少、広告収入の減少などで足元では年初来で▲27.5%のアンダーパフォームとなっていますし、グーグル(アルファベット)も同様に足元では▲4.2%と厳しい展開となっています。

 

その代わりに最近株価上昇となってきているのが日用品大手のジョンソンエンドジョンソン(JNJ)やP&G(PG)、製薬大手のファイザー(PFE)などのいわゆるディフェンシブセクターが志向されています。

これまでは高成長株が買われるときは風前の灯火の如く軟調な展開を強いられていたディフェンシブセクターが足元では息を吹き返してきています。

 

ジョンソンエンドジョンソンは+6.1%、P&Gは+2.9%、そしてファイザーは年初来で+21.2%と高パフォーマンスに転身してきています。

 

すでにファイザーはアップル株をアウトパフォームしており、ジョンソンエンドジョンソンも年初来でいつアップル株を抜いてもおかしくはありません。

 

◆これはよくあるセクターローテーションなのか?それとも、、、

米国株に限らず、日本株も成長株←→バリュー株、景気敏感株←→ディフェンシブ株、大型株←→中小型株などのセクターローテーションが巻き起こりますが、これがよくあるローテーションであれば問題はありません。

 

しかし、昨今の米中をはじめとする貿易問題や英国、イタリア、そしてドイツなど欧州の政治リスク、原油の急落など外部環境により企業経営者の先行きに対するセンチメントが悪化してきており、これが目先の企業業績を慎重にさせているところが多々あると思われます。

それが決算発表で露わとなり、株価が反応する展開となっており、投資家の買い意欲を削ぐ形として表れてきています。

単純なセクターローテーションであれば、再び高成長銘柄へと資金は回るようになります。

 

 

◆ポイントは米長期金利の動向

FAANGの中でも1兆ドル企業へ成長したアップル、アマゾン、次いで時価総額の大きなグーグルを米長期金利(黒)の推移と見比べてみると長期金利が上昇するところで3銘柄が下落するような動きを見せていることが分かります。

これは高成長銘柄は配当も出さずに成長のために投資を行うため、金利が上昇してくれば投資妙味が薄れるからにほかなりません。

米長期金利は10月5日に3.23%をマークし、その後3.1%~3.2%強で推移する中で3銘柄は下落していく展開となりました。

先日の中間選挙では上院民主党、下院共和党とねじれが生じたことから傍若無人なトランプ政策に歯止めがかかるとの思惑からいったんは日米ともに株価上昇に転じたものの、大きな政府を標榜する民主党のお家芸はインフラ投資です。

下院で勝利したペロシ院内総務は「超党派の課題を解決する」と豪語しており、インフラ投資が行われれば財源確保のため金利が上昇するという思惑から再び3.2%強に上昇したことが株式には嫌気されて頭を抑えられる格好となりました。

 

ポイントはこのまま長期金利が上昇していけば、FAANG、半導体などの高成長銘柄から資金が流出する可能性があります。

 

しかし、個人的には長期金利がどんどん上昇していくということは少なくとも今年はないとみています。

 

前掲のブログで原油価格の下落について言及しましたが、あまり急激な下げはリスクオフを助長してしまいますので看過することはできませんが、見方を換えれば油価下落はインフレ期待の下押し圧力としてはたらいてくれます。ともすればFRBは拙速な利上げをする必要性はなくなります。

 

またFRBはことしあと1回、来年は3回の利上げを予定していますが、先週パウエルFRB議長や、クラリダ副議長からは貿易問題などの影響からハト派的なコメントが出ており、市場の利上げの織り込み度も来年2回程度に低下してきています。

 

先月末に発表された9月のPCEコアデフレーターも前年比で2.0%と伸びは停滞しており、今週発表された住宅指数も予想を下回る結果となっています。

これら米国のマクロデータを勘案すると9月のFOMCで公表された今年、来年、再来年の利上げ見通しは下方修正される可能性が高いとみています。

 

そうなれば、心地よい経済成長と金利水準のバランスが取れ、再びFAANGの反撃の動きが見られる蓋然性が高まるものと思われます。

こんなデータから日本株の夜明けも近いと思われます。

これは僕がよく観察するデータです。

日経平均(青)が下落すると(赤)の指標は上昇する動きを見せる指標です。右側が単位です。

少し知悉している方なら分かるかと思います。足元ではちょうど0.6水準。そろそろピークを迎えます。

ことしの2月や10月頭、この指標がかなり低下していたので危険だと分かりました。

このおかげで暴落を避けることが出来ました。

寧ろこのときによくブログで書いていましたが売りを仕掛ける場面でした。

 

ちなみにVIXではありません。VIXはこんなに分かりやすく上げ下げの動きをしてくれませんし、0コンマいくつなんて数字にならないことを考えれば分かることです。

信用の貸借倍率でもありません。

 

あともう一つ

これも日経平均と逆相関が強いもので、反転反落の材料になります。

あまりチャートに線を引くのは好きではありませんが、このローソク足が示すトレンドが崩れると日経平均株価は上昇回帰する動きへと間違いなく転じてくるとみています。

 

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