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◆日銀人事、黒田総裁再任。株価にはプラスか?

2018.02.16

こんにちは、株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

政府は16日、日銀人事案で黒田現総裁の再任案を提出しました。

メルマガではこのことは事前にお伝えしていましたので、読者の方にとっては特段サプライズでは無かったかと思います。

 

副総裁には日銀出身で現政策の立案に携わってきた雨宮氏と早稲田大教授の若田部氏を候補として充てました。

ご存知のように、現日銀は長短金利操作付き量的質的金融緩和を行っています。

年間80兆円の国債を買い入れて、長期金利を0%近傍にべた付けし、短期金利にはマイナス金利を導入することで無理やりイールドカーブをスティープ化(立たせる)政策です。

 

物価が年で2%で安定的に推移するまでこのイールドカーブ・コントロール(YCC)を行い、政策運営に邁進しています。

 

ただ、延々と市中の国債を買い入れるわけにもいかないため、出口戦略としての国債買い入れ減額を行わざるを得ないときがやってきます。

今回黒田総裁が続投となったことは、しばらくはYCCが継続されるという思惑が株式市場にははたらいてきますので好感される材料です。

 

しかしながら、市中に出回る国債には限度があり、2月9日付で2年債から長期の40年債まで合わせると400兆円を超える規模まで膨らんでいます。

 

財務省が発表する平成29年度末の公債残高は865億円ですので約半分の国債を日銀が保有していることになります。

日本は財政赤字国であるため、歳入よりも歳出額の方が上回っており、毎年赤字国債を発行して財源を賄っていますが、それでも2017年度の赤字国債は30兆円弱の発行と、日銀が買い入れている年間80兆円の方が大きく上回っているため、いつかは枯渇することが考えられます。

 

これを考えれば、今後国債買い入れを大幅に増やすことは考えにくいでしょう。

 

仮に円高の進行や景気減速感が強まる局面があったとしても、日銀に残された緩和カードが少ないため、従来のようにサプライズを伴った追加策を打ち出すことが難しいのが現状です。

 

副総裁にリフレ派の若田部氏が就任したわけですが、現行の政策に大きな変化は見られず、まずは黒田総裁が続投したことが好感されての株価上昇要因としてはたらいてくるでしょう。

 

ただ、発行国債の残高が枯渇して来れば、金利が上昇してしまうリスクを孕んでおり、買い入れた債券で大きな含み損を抱えることになります。

日銀はここに対して丁寧な説明責任が今後問われることになってくるでしょう。

 

 

◆一方、FRBは今後の金融政策の舵取り&人事に前途多難

今年からFRBの新議長となるパルエル氏は現在の混沌とした金融市場との対話をしていかなければならない立場にあります。

3月の利上げは現在のところ高い確率で実施されると思われますが、先日発表された1月の米消費者物価指数(CPIコア)は前月比で+0.3%、前年比で+1.8%とFRBが目標とする+2%には届いていないものの肉薄するところまで上昇してきています。

 

今回、物価上昇率が予想を上回ったことは、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル新議長の金融政策のかじ取りをより難しくしてしまう可能性があります。

物価が上がること自体は景気が良いことを表しているため、それ自体は悪い材料ではありません。

 

 

しかし、これまで低インフレ、好景気、低金利という適温経済(ゴルディロックス)があったからこそ金融市場もダウ最高値、日経平均株価も24000円到達となってきたわけです。

 

米国株が暴落した後の各地区連銀総裁からは、今後も緩やかな利上げ路線を維持して足元の市場の混乱に左右されずに、粛々と年3回の利上げをしていくべきだというのがコンセンサスです。

ただ、今後も物価上昇が顕著に見られれば利上げのピッチを上げていく(年3回から年4回)必要性が出てきた場合、急激な金融引き締めが市場にネガティブ材料と捉えられる可能性があります。

 

それでも市場での対話に重きを置いた利上げペースを維持すれば、物価の上昇に政策が追い付かず、今度はbehind the curve(金融政策が後手に回る)が懸念材料として囁かれ、これもまた市場にネガティブインパクトを与えてしまいかねません。

 

どちらに転んでも良い反応を得るには難しく、FRBは今後の金融政策のかじ取りをしなければならない非常に厳しい状況に立たされることがこれでお分かりいただけるでしょう。

 

加えてこれが新議長就任ほやほやの弁護士あがりのパウエル氏というわけですからこれだけでも少なからずセンチメントを冷やす可能性も無きにしも非ずです。

 

 

またFRB理事会のメンバーは空席が4つ残ったままで、グッドフレンド教授は議会承認を待つ状態にありますが、副議長すらいまだ未定の状態です。

 

政治でいえば組閣されないまま政権運営が行われていて、目の前に大きな政策決定の壁が立ちはだかっているという状況です。

 

今月28日に議会証言でパウエル氏の考えが聞けることになります。

あと10日以上ありますので市場が落ち着きを見せていれば、さほど注目されないでしょう。

しかし、今も為替相場ではドル安が進行し、トランプ政策、インフレ圧力から長期金利に上昇バイアスがかかっている状況で株安が再び起こればパウエル氏の一挙手一投足に市場は大きく注目することになるでしょう。

 

足元では本日ドル円が105円台半ばまで下落しました。

個人的にはこのドル安が止まれば日本株は本日500円は上昇していたとみています。

 

28日までドル安が進むようなら、個人的にはパウエル氏が今のドル安の動きに対してどう言及するか注目しています。

 

 

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