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◆ワクチン副作用のたびにハイテク、グロース株が上昇

2021.04.14

おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

 

【相場概況】

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価 29,751.61 +212.88
TOPIX 1,958.55 +3.96
マザーズ 1,216.24 +0.27
NYダウ 33,677.27 -68.13
ナスダック総合 13,996.10 +146.10
S&P500指数 4,141.17 +12.14

きのうの米国市場は3指数まちまちの展開となりました。
米長期金利が1.7%台から1.62%まで急低下したことを受けハイテク株が
買われナスダックが反発した一方、金融株を中心に売られたことで
ダウは続落となりました。

米疾病対策センター(CDC)と米食品医薬品局(FDA)が米医薬品大手
ジョンソン&ジョンソンの新型コロナワクチンについて、接種後に
まれに深刻な血栓が生じるとの報告されたとして同ワクチンの接種を
中止するよう勧告したことからワクチン普及による経済正常化期待が
後退し、景気敏感株中心に売られる展開となりました。

きのう発表された3月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.6%と
市場予想の2.5%を上回る伸びとなり、価格変動の激しい食品とエネルギー
を除くコア指数も1.6%の上昇でこちらも市場予想の1.5%を0.1ポイント
上回る結果となりましたが、今回の物価の伸びの半分はガソリン価格の
上昇が占めており、コア指数の伸びは家賃と自動車保険の上昇がけん引
しました。

 

特に今回の3月の消費者物価指数は昨年のコロナパンデミックが起こった
ときとの比較になりますので、当時はちょうどロックダウンなどで
経済封鎖がなされているときにあたります。

そのため、前年同月比で大きく伸びるのは至極当然のことで今回の
数字で物価上昇圧力がかかり出したとみるのはミスリードです。
長期金利が上昇しなかったのがその証左です。

 

◆ワクチン副作用のたびにハイテク、グロース株が上昇

今回の米国株の値動きで分かったことは、ワクチンの副作用が懸念され
ることで長期金利が下がり、そのタイミングではハイテク、グロース株
が買われるということです。

イギリス製薬大手のアストラゼネカ製のワクチンでも先日、接種した人
に異常な血栓がみられるということで死者も出ていることから一時、
使用の中断がありましたが、他社のファイザーやモデルナのワクチン
(mRNA型)も同様に副作用がみられれば、景気敏感株が売られ、それに
伴い金利が低下し、ハイテク株が買われる動きがみられるでしょう。

 

昨年の夏ごろになりますが、製薬大手で角逐して開発されていた時期
から「必ず副作用が出る」とお伝えしてきましたが、ちょうど今が
そのタイミングであると捉えてもらえればと思います。

 

ただこれも一時的で、再び副作用のないワクチンが開発されるとなれば
景気敏感株が物色されるといった皮肉にもワクチンの効果の趨勢が
グレートローテーションを生む材料としてマーケットで取り上げられる
こととなるでしょう。

これは日本株にとっても同じく、コロナパンデミックのときに相場を
けん引してきたグロース株物色への資金シフトへとつながります。

 

ワクチンの話に戻ると日本にとっては幸か不幸かJ&Jのワクチンは今の
ところ供給計画はありません。

もし仮に供給される予定だったならば、計画の中止が打ち出されること
で感染拡大が懸念される中では株安につながるおそれがあるとみています。

 

しかしながら、アストラゼネカ製のワクチンにおいては1億2000万回分
(6000万人分)のワクチン供給の契約がすでに結ばれており、政府では
使用許諾について審査協議中です。

とにかくワクチンの効果効能がまだ不透明な間はバリューの景気敏感株、
グロースのハイテク株の間での須臾の寸劇がみられることでしょう。

 

※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、利用者ご自身の判断でなさるように
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