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◆5年間の期待インフレ率がリーマンショック後、過去最高値

おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

 

【相場概況】

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価 29,518.34 +160.52
TOPIX 1,952.27 +19.22
マザーズ 1,157.42 -4.74
NYダウ 34,742.82 -34.94
ナスダック総合 13,401.86 -350.38
S&P500指数 4,188.43 -44.17

きのうの米国市場は3指数揃って反落となりました。

先週末発表された4月の米雇用統計では、雇用者数の伸びが市場予想を
大きく下回ったことを受けて金融緩和策や景気刺激策が長期化するとの
見方が広がったことや、ワクチンの普及により経済活動の正常化が早まるとの
期待から景気敏感株を中心に買いが先行。ダウは先週末つけた過去最高値を
上回って推移しました。

 

一方、銅や鉄鉱石などの価格が上昇する中、先行きのインフレ進行に対する
懸念が根強く、割高感が意識されやすいハイテク株は売りが先行。
ダラス連銀のカプラン総裁が雇用回復の見方を変えず、テーパリング(量的
緩和の縮小)を巡る議論を開始したいとの考えを改めて表明すると米長期金利が
上昇し、ハイテク株の下げを拡大させる要因となりました。

◆5年間の期待インフレ率がリーマンショック後、過去最高値

今後5年間の年平均インフレ率が、リーマンショック以来の高水準に達しています。

期待インフレ率として使われるブレークイーブンインフレ率(5年)は一時3.4%まで
上昇し、08年のピークを上回りました。

(5年間のブレークイーブンインフレ率)

このインフレ率の上昇の背景にあるのは様々な素材、食品価格の上昇です。

 

IMF(国際通貨基金)の2021年の経済見通しでは、中国8.4%、米国6.4%
の見通しですが、さらに上振れするとの観測も台頭しています。

世界第1位と第2位の経済大国がこのハイペースで回復するならば数多の
成果物の元となる素材価格に上昇圧力がかかるのは当然のことです。

 

具体的には銅や鉄鋼のほか亜鉛、鉛、アルミ、ニッケルなど非鉄金属の
価格が上昇してきており、加えて穀物を中心とした農産物価格の上昇も
顕著です。

コーン先物価格は足元1ブッシェル(35.2リットル)=700セント超と
8年ぶり高値をマークしており、大豆先物も9年ぶり高値で1600セント
まで上昇、小麦も同様の高騰となっています。

(農産物先物価格の推移)

これらを背景に代表的な商品市況を示すCRB指数もコロナショック前の水準を
大きく上回り、206ポイントまで上昇してきています。

 

(CRB指数の推移)

こうしたコモディティ価格の上昇の背景にあるのはもちろん世界的な金融財政
緩和が根底にあります。

一時的にはコロナショックにより世界レベルで経済的ダメージを被ったものの、
先にも述べたように中国では8%超の成長、米国でもワクチン接種率が逓増して
おり成長率に上振れの見通しも出てきています。

 

きのうはダラス連銀のカプラン総裁が再びテーパリング(量的緩和縮小)の
早期実施について言及したことで相場は調整を迎えました。

しかし、FRB全体見れば「景気回復は進捗しているが、コロナの悪影響の大きい
飲食店や低所得者層は苦境が続いており、格差を伴ったままであり、雇用と
物価の安定が達成されるまでは緩和策を維持する」方針です。

 

3月の米CPI(消費者物価指数)は前年同月比で2.6%とFRBが目標とする2%を
ことしに入り始めて上回りましたが、これは昨年の落ち込みの反動もあって
確実性に欠けます。

 

しかし、4月以降で期待インフレ率が示すように実際のインフレ率が上昇と
なってくればいつまでも緩和を続けていくということは難しくなってきて
カプラン総裁からすれば「ほれ見たことか」となると思われます。

 

マーケットではこのFRBの方針転換の時期を最も気にしていて、昨日も
お伝えした住宅購入のキャッシュアウト型リファイナンスも手伝って
個人消費はうなぎ登りです。

(米小売売上高推移)

小売売上高もコロナ前の水準を大きく上回り3月は初の600億ドル(60兆円)
を越えました。

日本のGDPが年500兆円であることを考えると米国の小売売上高だけで月間
10%超となり、どれほどの消費が大きいかが分かります。

これらのハイペースな景気回復、資源、商品、食品価格の上昇を踏まえると
年内早ければ8月、9月にはFRBから緩和終了についての何らかの発言が出ても
おかしくはありません。

夏場のFRB要人発言、FOMCには気を付けていきたいところです。

 

 

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