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◆グロース株物色への回帰はじまる米国株

おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

 

【相場概況】

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価 29,019.24 +77.72
TOPIX 1,960.85 +1.66
マザーズ 1,134.33 +14.60
NYダウ 34,630.24 -126.15
ナスダック総合 13,881.72 +67.23
S&P500指数 4,226.52 -3.37

きのうの米国市場は指数まちまちの展開となりました。

先週発表された5月の雇用統計では雇用者数の伸びが予想を下回る結果
となったことを受けて金融正常化はまだ先になるとの見方が強まり、
長期金利が低下、金利に敏感なハイテク株がこの日も主導しダウ構成銘柄
では、マイクロソフトが買われ、医療保険のユナイテッドヘルスが売られた
ほか建機大手のキャタピラー、金利が低下したことで金融株のゴールドマン
サックスも売られる展開となりました。

 

その他個別銘柄では、バイオ製薬のバイオジェンが+38%高と急伸。

米食品医薬品局(FDA)がエーザイとバイオジェンが共同開発したアルツハイマー
型認知症治療薬候補「アデュカヌマブ」の承認申請を認めると発表したことが
材料視された模様です。

「アデュカヌマブ」の承認申請が通ったことによりイーライリリーが開発
しているアルツハイマー治療薬の承認にも追い風になるとの見方から
同社株も急上昇しています。

 

◆グロース株物色への回帰はじまる米国株

(グロース株とバリュー株の年初来パフォーマンス)

上図を見ると今年に入り、ワクチンの普及が加速したことでそれまでバリュー株
よりもグロース株優位だったマーケットに天変地異が起こりました。

2月、5月とグロース株が下落したのは金利上昇が要因でした。

しかし、その「金利が上昇した要因」は違います。

2月はワクチンの普及、そして5月はインフレへの懸念です。

(米国のワクチン接種率)

これまでもお伝えしているようにワクチンの接種率が人口の1割を超えてくると経済
正常化への期待が高まって、株価上昇の要因となっています。

米国ではちょうど2月の初旬から半ばあたりでこの節目となる10%を超えたことが
きっかけで景気敏感株、いわゆるバリュー株物色へ資金シフトが起こりました。

そして先月5月にもナスダックを中心に大きな調整がありましたが、このときは
5月初旬から経済正常化への期待が高まったことで金利への上昇圧力がかかり株価の
上値を抑え、5月12日に発表されたCPIで予想を大きく上回る4.2%という数字が出た
ことでダメ押しの下げとなりました。

(米長期金利推移)

ではなぜここからグロース株への回帰が起こるのか?

理由は2つです。

1つは「企業業績のサイクル」、もう1つは「デジタル課税の緩和」です。

企業業績に関して昨年の4-6月期が日本もそうですがもっとも前年同期比で落ち込んだ
タイミングです。
次回7月から8月にかけて決算を迎えるのはこのタームになります。

米国株は特にワクチンの普及が日本よりも早かったわけですから昨年4-6月期から
ことしの4-6月期にかけては大きく回復します。
その恩恵を最も受けるのはバリュー株だと思います。

しかしながら7-9月期になると4-6月期に比べてやや落ち着く、換言すれば回復
緩慢となって、伸びは4-6月期に比べると鈍化するとみています。

2点目のデジタル課税の緩和に関しては今回のG7財務省会合でイエレン米財務長官を
筆頭にグーグルやアップル、アマゾン・ドット・コムといった巨大な多国籍企業への
課税を強化するため、各国共通の最低法人税率を15%以上とすることで合意しました。

その代わりに、各国ごとに課しているデジタルサービス税および付帯税を撤廃する
方向で調整が行わます。

 

税金が下がることは投資家サイドから見ればEPS(1株利益)の上昇へとつながります。

ダウ採用の景気敏感株である建機大手のキャタピラーのPER(株価収益率)は足元で
31倍、一方でGAFAMの一角を担うフェイスブックのPERは28倍とグロース株のPERの
方が低い異常現象が現在発生中です。

 

このように個別銘柄のレシオ面でもバリュー株優位の状況は早晩見直される可能性が
ありますし、マクロ環境で見ても米国はまだまだ雇用の伸びの鈍化からテーパリングも
いつになるかまだ不透明です。

上記の複合的な理由からバリュー株が下がるというよりはグロース株がより上昇する
という動きがみられてくるとみています。

逆に日本株はワクチンの普及が諸外国よりも一歩出遅れているため、国内時価総額
トップのトヨタが新高値を更新しているようにまだこれから景気敏感株、アフター
コロナ関連銘柄への物色が続くものとみています。

 

※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
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