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◆8月のテーパリング観測遠退く

2021.07.15

おはようございます。株の学校 マナカブ.com講師の中山です。

 

【相場概況】

◆きのうの日米株価指数終値

日経平均株価 28,608.49 -109.75
TOPIX 1,963.16 -4.48
マザーズ 1,183.83 +5.94
NYダウ 34,933.23 +44.44
ナスダック総合 14,644.95 -32.70
S&P500指数 4,374.30 +5.09

きのうの米国市場はダウは上昇、ナスダックは下落と指数まちまちの
動きとなりました。

パウエルFRB議長はきのう下院の議会証言で「経済の回復について、金融当局
による大規模な資産購入の縮小を開始できるだけの進展はまだ見せていない」
とコメント。
また、物価の上昇に関しても、目先数か月間高い水準が続いた後、伸びが
落ちる可能性があるとの認識を示しました。

前日の消費者物価指数(CPI)に続いて、きのうは生産者物価指数が公表され
ましたが、6月は前年同月比で7.3%の伸びとなり、食品・エネルギーを除く
コア指数も5.6%と高い伸びを示しています。

物価上昇率は昨年4-6月期がちょうどコロナの感染拡大によるダメージが最も
大きい時期にあたるため、前年同月比で比較するとことしは大きな伸びと
なることは当然であり、昨年7-9月期の後半から徐々に経済の回復がみられ
はじめ、昨年11月に製薬各社からワクチン開発の材料も出ました。

よって、10-12月に入ると物価の上昇はパウエルFRB議長の言うように
落ち着いてくるとみています。

◆8月のテーパリング観測遠退く

今回のパウエルFRB議長の議会証言で注目だったのは、経済の顕著な進展は
みられるものの資産購入の縮小(テーパリング)を開始できるだけの進展は
まだ見せていないと明言した点です。

いまの市場参加者の一部には8月下旬に予定されてる経済シンポジウム
(ジャクソンホール)でテーパリングの開始時期について言及されるだろう
という見方が台頭していますが、今回の会見内容から推測するともう少し
後ずれする可能性が高いとみています。

ちょうどタイミングとしてはバイデン政権が実施している失業保険給付の
上乗せ策(週300ドル~400ドル)がことしの9月上旬で打ち切りとなる
ため、来月あたりから雇用者数の伸びが一段と加速してくるとみています。

そのため、しばらく米国市場は株高基調が続く可能性があるでしょう。

日本株もこれに追随してほしいところではありますが、足元で感染者数が
再び増えてきていることや、先月下旬からワクチンの供給不足による職域接種
が中断され、再開の目処がまだ立っていないことなどが相場の重石となって
いますが、これはいずれにしても時間とともに解決されていく事象であり、
供給不足が解消されればそれを好感した動きに入りやすくなるとみています。

目先しばらくは決算発表も控えていることから小幅な上げ下げを繰り返す
もどかしい展開が続くものとみています。

 

※内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではあり
ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
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