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◆米長期金利が4.2%を再び目指すならS&P500は3700前後の下落
2023.02.22 マーケットニュース -
いつもお世話になっております。マナカブ.com講師の中山です。
◆きのうの日米株価指数終値
日経平均株価 27,473.10 -58.84
TOPIX 1,997.46 -2.25
マザーズ 764.34 -2.63
NYダウ 33,129.59 -697.10
ナスダック総合 11,492.30 -294.97
S&P500指数 3,997.34 -81.75きのうの米国市場は消費関連企業の悪決算と金利の急騰が重なり、
3指数揃って大幅安となりました。ダウは前日比で▲2.06%の下げとなり、ことしの上昇分を吐き出した
格好となります。きのう四半期決算を迎えたホームセンターのホーム・デポは売上高が
市場予想を下回り、24年1月期通期が減益になるとの見通しを示したこと
から▲7%の下落。次いで小売り大手のウォルマートは24年1月期の1株利益見通しが市場予想に
届かず消費や企業業績に対する警戒感が広がったことから売り先行で取引を
スタートしましたが、売り一巡後は買い直され取引終盤ではプラス引けと
なりました。また先週のCPIやPPIなど米国の物価指標の低下率鈍化に加えて、きのう
公表された 2月の米PMI(総合購買担当者景気指数)も50.2と8カ月ぶりの
高水準となり、(前月:46.8、予想:47.5)を大きく上回る強さを見せた
ことから利上げの長期化が意識され、債券は売られ金利が上昇。米長期金利は一時3.96%と4.0%に肉薄するまで上昇したことからハイテク株
を中心に売り込まれる展開となりました。個別銘柄ではEVのテスラが▲5%超の下落をしたほか、半導体のアプライド
マテリアルズも▲3.6%、エヌビディアも▲3.4%と軟調。アマゾン、グーグル、マイクロソフトなどがそれぞれ▲2%台の下落と
なっています。◆米長期金利が4.2%を再び目指すならS&P500は3700前後の下落
(米長期金利・日足チャート)
上図は米長期金利の推移ですが、足元では昨年末につけた利回り3.8%を上抜け
し、上昇基調が強まってきています。もしこの上昇が続いて昨年11月に付けた4.2%あたりまで上昇していくようで
あればS&P500のバリュエーションは見直され、下落し3700ポイント前後までの
調整が考えられます。今月10日にVIX指数(恐怖指数)がじわりと上昇に転じてきたため、下げに警戒
とお伝えしていました。↓ ↓ ↓
よって日米株ともに高いところでロングポジションに傾斜しすぎると高値掴みの
代償を支払わされることとなります。日本株は米金利上昇圧力がはたらき為替相場で円安が進行していることや、
もともとのバリュエーションがまだ低いこと、来月に迎える配当取りなど
株価下支えの要因が複数あるため、米市場よりも下げは限定的になり、3月末
まではむしろ下がったところは下値を拾う動きも出てきます。そのため日米株価のバリュエーションのギャップ調整が目先は進みやすいと
考えます。グローバルに投資をしているファンドからすれば、FRBの金利動向に右往左往
させられる米株より、円安基調がサポートとなる日本株、その円安も手伝って
安く割安な株が揃っている日本株の魅力は3月末の配当取りの時期を過ぎて
小休止を挟んでから夏場にかけて増してくるとみています。そのサインとして見逃してほしくないのが日米株価の1か月や3か月などの
短期タームでのパフォーマンス比較です。米市場が下落をしても日本株はさほど下げない、むしろプラスの日もある
というようなことが徐々に起こり始めるとみており、これが上述した
日米株のギャップ調整の兆しとなります。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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ません。また、当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を
負いません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断でなさるように
お願いいたします。
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【執筆者(講師)情報】
中山まさかず
学生の頃より起業。2006年より株式投資を始める。
独自のテクニカル(チャート)とファンダメンタルズ(企業)分析による投資戦略、株式投資を行う上で必要なメンタルの保ち方などを情報発信し、これまで累計8000人以上の個人投資家へ向けてセミナーを開催。
2017年には著書も出版し、その後3回の重版。
資産運用の会社も経営する傍ら、スタートアップ企業への投融資も行う。